中国、アメリカの対立と、日本がすべきことについて その3
- 2020/09/02
- 15:42
尖閣問題に関して、日本が取るべき姿勢ついては書いた通りですが、
追加情報として、尖閣問題の解決などについて、過去記事に加筆などしたものを紹介します。
過去記事リンク 1,台湾、中国の関係について 2,南沙問題について
http://inorinowa2.blog.fc2.com/blog-entry-106.html
3,尖閣問題について 4,北朝鮮問題について
http://inorinowa2.blog.fc2.com/blog-entry-107.html
5,中東、IS関連の紛争について
http://inorinowa2.blog.fc2.com/blog-entry-108.html
〇尖閣問題について
どういう状況か。
尖閣諸島には、天然ガスや石油などの天然資源が存在する。(国連の調査等による)
日本側は、尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題は そもそも存在しないと主張している。一方の中国側は、文献があり、ポツダム宣言により、尖閣は台湾領となり、台湾は中国に含まれると考えるため中国領という主張をしている。
2010年9月に日本政府がこの海域の中国漁船を拿捕し、これまでの棚上げを行わなかったこと、2012年に国有化したことなどから、中国もこれまでの尖閣での漁船管理を緩めている。これらも要因となり、尖閣での漁船、公船の活動が増えている。
尖閣の領有権をめぐっては、交渉当事者の証言、首脳の発言によると、1972年の日中国交正常化、1978年の日中平和条約締結時に、日中は「棚上げ」で合意し、それに基づいてそれぞれ自国の違法船を拿捕する形で、争いが起こらないよう処理してきた。
(棚上げ合意の存在は、1972年の周恩来、田中角栄会談録、1978年鄧小平発言、交渉者証言(二階堂進、橋本恕、栗山尚一)、2013年の野中広務、山口那津男らの発言などから確認できる。)
上記棚上げが反故にされてきていること等から、現在、尖閣問題は大きくなってきている。
紛争へのエスカレートを避けるため、放置せぬよう、今後も国民の注意が必要である。
どうしたらいいか
1,尖閣に関する棚上げ合意を日本から破らないこと
(問題解決に向け、日本から中国と話し合うこと)
2,これまでの平和原則の合意、国連憲章などにも言及するようにし、日中が尖閣などで武力行使をしないという約束を中国ととりつけること。
3,日本はASEAN諸国、台湾、韓国などの国と、政府、民間でも、積極的に情報交換を行い、連携して国際世論に訴えながら、中国と交渉すること。
4,棚上げが現実的で、日本に有利であることを、日本の関係者が共有すること。
5,2008年福田内閣時に尖閣について日中で共同出資、共同開発をする旨の取り決めをしていたので、その続きの交渉を行う。
2018年6月から、日中の「海空連絡メカニズム」の運用が開始され、防衛当局間のホットライン開設と年次会合開催などを行うとしていたため、その強化・継続を行う。
その他(心構えや参考として 出た意見など)
お互いの考えをよく知ることが大切。
領土問題では、一方が強く出ると相手も強く出ようとする心理が働きやすい。また、各国、国家意識が強く出るため、感情的にならないようにし冷静に対処する。
(手を出したり、軍事的に対抗したり、互いの感情を焚きつけないこと)
棚上げが破られたこと、漁業の解禁日やその取り締まりが十分でないことも漁船が増える要因となっている。
文化・スポーツ等の交流によって、緊張状態が緩和することがある。外交だけに特化せず、いろんな方法を検討する。韓流ブームによる両国のイメージ良化、スマップが中国温家宝首相と会見したなどの交流は有効。国民レベルでの印象改善。
文化交流をより深めてコミュニケーションとる。芸能、スポーツ、アニメ等。
交渉に関連して、相手のことを知ってるかどうかで、成否に差が出る。(相手を知ることが大切)
交渉の一番良いとする落とし所は51点。100で勝ってしまうと、負けた方は必ず取り戻そうとする。でも、49の負けさせて51で勝てば、お互いに思い入れは少なくすむ。というスタンスが大切。(孫崎享氏)
国際的な紛争を解決する方法は三つ。
「外交交渉」
「司法的解決」
「解決しないことでの解決」」(つまり早期に白黒つけず、保留も方法としつつ粘り強く対話を続ける)(栗山尚一)
日本はこれについて、ひっかきまわすこともできるし、安定に導くメディエイター(仲裁人)にもなれる。
国民が「戦争なんてないでしょ」と放置したり、印象操作に流されてパニックになるのが危険。また、戦争で儲かる国や団体が存在する。
学校などでも、政治について考えさせ、関心を持たせるようにする教育も日本は必要ではないか。(市民の資質を養うシチズンシップ教育は、アメリカ、スウェーデン、イギリス、コスタリカなどで盛んである。話し合って解決することの教育など。)
〇南沙、西沙問題について
どういう状況か。
中国は、成長する経済・軍事力を背景として、近隣諸国の反発にも関わらず、南沙・西沙に人工島、ミサイル基地、建物など軍事施設を建造している。
中国と、フィリピン ベトナム マレーシア ブルネイ、台湾等の国々と意見の対立が残っている状況。
どうすればいいか
行動規範をつくることを当面の目標にする(孫崎享 鳩山友起夫)
南沙では、現状の区分けで折り合いをつけるのが現実的では。ただ、今の中国の埋め立てなどはやりすぎでフィリピンとマレーシアとベトナムに配慮すべき。(副島隆彦)
2002年11月に宣言されている「南シナ海における当事国の行動に関する宣言(DOC)」や、2008年のASEAN憲章に言及し、中国が重視してきた国連憲章にも触れ、武力行使や緊張をエスカレートさせないことを決め、領有や開発についても話し合う。国連憲章には内政不干渉や平和的解決がうたわれている。
ASEANから求められれば、日本が入るのもよい</span>と考えられる。
仲裁裁判所がフィリピン政府に有利な裁定を下し続ける姿勢を崩さないようにすれば、中国は世界の国々から、外交・司法面での圧力にさらされ、輸入や輸出などの外交に大きく影響が出る。裁定に逆らうことが中国側にとって不利であるということを実感させるようにする。一方で、中国の国民意識への配慮も必要。(共産党の意見とは異なる場合もある)
中国の軍と政府、国民の意向は必ずしも一枚板ではない。
国民の情報化も活用し、味方につける方法もある。人々網、we chat 等のSNS。
緊張を回避し続ければ、徐々に学生や若年層等から情報化が進み、反日教育など互いの対立工作の影響が薄れていく流れもありうる。(緊張回避、情報化により流れが変わってくる可能性もある)
この記事は、政治経済を担当している、知念敦によるものです。
追加情報として、尖閣問題の解決などについて、過去記事に加筆などしたものを紹介します。
過去記事リンク 1,台湾、中国の関係について 2,南沙問題について
http://inorinowa2.blog.fc2.com/blog-entry-106.html
3,尖閣問題について 4,北朝鮮問題について
http://inorinowa2.blog.fc2.com/blog-entry-107.html
5,中東、IS関連の紛争について
http://inorinowa2.blog.fc2.com/blog-entry-108.html
〇尖閣問題について
どういう状況か。
尖閣諸島には、天然ガスや石油などの天然資源が存在する。(国連の調査等による)
日本側は、尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題は そもそも存在しないと主張している。一方の中国側は、文献があり、ポツダム宣言により、尖閣は台湾領となり、台湾は中国に含まれると考えるため中国領という主張をしている。
2010年9月に日本政府がこの海域の中国漁船を拿捕し、これまでの棚上げを行わなかったこと、2012年に国有化したことなどから、中国もこれまでの尖閣での漁船管理を緩めている。これらも要因となり、尖閣での漁船、公船の活動が増えている。
尖閣の領有権をめぐっては、交渉当事者の証言、首脳の発言によると、1972年の日中国交正常化、1978年の日中平和条約締結時に、日中は「棚上げ」で合意し、それに基づいてそれぞれ自国の違法船を拿捕する形で、争いが起こらないよう処理してきた。
(棚上げ合意の存在は、1972年の周恩来、田中角栄会談録、1978年鄧小平発言、交渉者証言(二階堂進、橋本恕、栗山尚一)、2013年の野中広務、山口那津男らの発言などから確認できる。)
上記棚上げが反故にされてきていること等から、現在、尖閣問題は大きくなってきている。
紛争へのエスカレートを避けるため、放置せぬよう、今後も国民の注意が必要である。
どうしたらいいか
1,尖閣に関する棚上げ合意を日本から破らないこと
(問題解決に向け、日本から中国と話し合うこと)
2,これまでの平和原則の合意、国連憲章などにも言及するようにし、日中が尖閣などで武力行使をしないという約束を中国ととりつけること。
3,日本はASEAN諸国、台湾、韓国などの国と、政府、民間でも、積極的に情報交換を行い、連携して国際世論に訴えながら、中国と交渉すること。
4,棚上げが現実的で、日本に有利であることを、日本の関係者が共有すること。
5,2008年福田内閣時に尖閣について日中で共同出資、共同開発をする旨の取り決めをしていたので、その続きの交渉を行う。
2018年6月から、日中の「海空連絡メカニズム」の運用が開始され、防衛当局間のホットライン開設と年次会合開催などを行うとしていたため、その強化・継続を行う。
その他(心構えや参考として 出た意見など)
お互いの考えをよく知ることが大切。
領土問題では、一方が強く出ると相手も強く出ようとする心理が働きやすい。また、各国、国家意識が強く出るため、感情的にならないようにし冷静に対処する。
(手を出したり、軍事的に対抗したり、互いの感情を焚きつけないこと)
棚上げが破られたこと、漁業の解禁日やその取り締まりが十分でないことも漁船が増える要因となっている。
文化・スポーツ等の交流によって、緊張状態が緩和することがある。外交だけに特化せず、いろんな方法を検討する。韓流ブームによる両国のイメージ良化、スマップが中国温家宝首相と会見したなどの交流は有効。国民レベルでの印象改善。
文化交流をより深めてコミュニケーションとる。芸能、スポーツ、アニメ等。
交渉に関連して、相手のことを知ってるかどうかで、成否に差が出る。(相手を知ることが大切)
交渉の一番良いとする落とし所は51点。100で勝ってしまうと、負けた方は必ず取り戻そうとする。でも、49の負けさせて51で勝てば、お互いに思い入れは少なくすむ。というスタンスが大切。(孫崎享氏)
国際的な紛争を解決する方法は三つ。
「外交交渉」
「司法的解決」
「解決しないことでの解決」」(つまり早期に白黒つけず、保留も方法としつつ粘り強く対話を続ける)(栗山尚一)
日本はこれについて、ひっかきまわすこともできるし、安定に導くメディエイター(仲裁人)にもなれる。
国民が「戦争なんてないでしょ」と放置したり、印象操作に流されてパニックになるのが危険。また、戦争で儲かる国や団体が存在する。
学校などでも、政治について考えさせ、関心を持たせるようにする教育も日本は必要ではないか。(市民の資質を養うシチズンシップ教育は、アメリカ、スウェーデン、イギリス、コスタリカなどで盛んである。話し合って解決することの教育など。)
〇南沙、西沙問題について
どういう状況か。
中国は、成長する経済・軍事力を背景として、近隣諸国の反発にも関わらず、南沙・西沙に人工島、ミサイル基地、建物など軍事施設を建造している。
中国と、フィリピン ベトナム マレーシア ブルネイ、台湾等の国々と意見の対立が残っている状況。
どうすればいいか
行動規範をつくることを当面の目標にする(孫崎享 鳩山友起夫)
南沙では、現状の区分けで折り合いをつけるのが現実的では。ただ、今の中国の埋め立てなどはやりすぎでフィリピンとマレーシアとベトナムに配慮すべき。(副島隆彦)
2002年11月に宣言されている「南シナ海における当事国の行動に関する宣言(DOC)」や、2008年のASEAN憲章に言及し、中国が重視してきた国連憲章にも触れ、武力行使や緊張をエスカレートさせないことを決め、領有や開発についても話し合う。国連憲章には内政不干渉や平和的解決がうたわれている。
ASEANから求められれば、日本が入るのもよい</span>と考えられる。
仲裁裁判所がフィリピン政府に有利な裁定を下し続ける姿勢を崩さないようにすれば、中国は世界の国々から、外交・司法面での圧力にさらされ、輸入や輸出などの外交に大きく影響が出る。裁定に逆らうことが中国側にとって不利であるということを実感させるようにする。一方で、中国の国民意識への配慮も必要。(共産党の意見とは異なる場合もある)
中国の軍と政府、国民の意向は必ずしも一枚板ではない。
国民の情報化も活用し、味方につける方法もある。人々網、we chat 等のSNS。
緊張を回避し続ければ、徐々に学生や若年層等から情報化が進み、反日教育など互いの対立工作の影響が薄れていく流れもありうる。(緊張回避、情報化により流れが変わってくる可能性もある)
この記事は、政治経済を担当している、知念敦によるものです。