SDGsについて その2
- 2019/10/28
- 17:45
SDGsについて、どのようなものか説明したいと思います。
その前に、一つ説明したいことがありまして、SDGs関連で、よく批判的に言われるもので「SDGsウオッシュ」というものがあります。(「○○ウオッシュ」という言葉で、「○○にいいようにみせて、取り繕う」のような意味)「実態が伴っていないのに、上辺だけSDGsへ対応しているように見せかけている」ことを指すことばです。
これについて、私としては、例えそういう企業があるとしても、世界的にさまざまな人がSDGsに取り組み、その効果が検証されていく以上、「優良事例」や「教訓」として生かされることを考えれば、ウオッシュを批判するよりは、できる企業体や団体で、効果も含めできることに取り組んでいくことが大切だと考えます。(たしかに、SDGsの指標には石鹸会社の意向をふまえたものもあり、企業利益のためのものもあります。ただ、それらにより衛生環境が良くなり、企業発案でよいアイディアが実現できればそれでよいと思います。役に立つ技術には、資金が集まり、新しい産業をつくりうるからです。)
その意味では、政府や関係機関による優良事例の収集、公表、世界的な精査がとても大切になると思います。(測ることで、取組を比較し、競争心もかきたてることも、SDGsの狙いの一つです)
次に、SDGsについて、どういう中身か説明したいと思います。
目標やその中身について
「未来を変える目標 SDGsアイディアブック」より
SDGsとは、2030年の世界の姿を表した目標ですが、大きく3つの種類にわけられます。
「1つ目は、経済に関すること」
今後、どうやって経済を成長させるか、産業や技術をどのように革新してけばよいか、仕事の仕方はどうすればいいか、がここに含まれます。17の目標のうち、これに含まれるものとして、
「目標8、生きがい、経済成長」・・・過労死や、働く人の安全、教育、報酬がないがしろにされていないか。
「目標9、産業と技術革新のインフラをつくろう」・・・道路、電力、水道などのインフラがしなやかで持続可能となること。 資源消費型でない技術革新推進など があります。
「2つ目は、社会に関すること」
貧しい人や飢餓に苦しんでいる人をなくし、健康な人を増やしていく。教育がいきわたり、生活しやすいまちや都市をつくっていく。差別や格差をなくしていく。という社会に関する目標の枠組みです。
これに含まれるものとして、
「目標1、貧困をなくそう」・・・1日1.9ドル未満で生活している人をなくす。健康に生きるための水や食べ物、医療を受ける。教育を受ける。女性の立場の改善。
「目標2、飢餓をなくそう」・・・飢餓に苦しむ人は地球上におよそ8億人おり、アジアやアフリカには満足に食べられず栄養が偏り命を落とす子どもや大人がたくさんいる。生態系を守り、土地がやせないように注意して、アジア・アフリカの小さな農家の生産性を上げる取組も必要。また、人口増加や紛争によって飢餓を広げない努力が必要。
「目標3、すべての人に健康を福祉を」・・・特に途上国では医療や健康に関する知識がいきわたらず、肺炎や下痢、マラリアで多くの命が失われている。途上国では、出産時の女性や子の死亡率、エイズや結核などの感染症が健康を脅かしている。
また、先進国含め、たばこ、酒、薬物乱用、交通事故、環境汚染で健康を害する状況を変えていかなければならない。
「目標11、住み続けられる街づくりを」・・・現在、年に暮らす人は世界の半分以上を占める。
そこでは、人口集中による住宅不足、老朽化した建物による危険、大気汚染やゴミ問題、格差の拡大、犯罪などの解決が求められており、人が住み続けられる街をつくるには、住民参加の都市計画や管理に参加できることも欠かせない。
「4、質の高い教育をみんなに」・・・読み書きができない15歳以上の人は、世界に7億人もいる。そのおよそ3分の2が女性。女の子が学校に行かせてもらえない地域が多い。性別や経済力、年齢にかかわらず教育を受けられるようにするのがこの目標。
アフリカの「みんなの学校プロジェクト」は、教員や親の不信感、距離感をなくすべく、教員、親、地域が協働し、年に数回、教育現場の解決策を議論するなどの取組を行い、補習の実施、教室やトイレの整備につながっているとのことです。span>
JICA みんなの学校プロジェクト https://www.jica.go.jp/60th/africa/niger_01.html
https://www.jica.go.jp/aboutoda/ikegami/05/index.html
https://www.jica.go.jp/aboutoda/ikegami/05/p3.html
(話は少しずれますが、私は、人権を教えることが、教育で最も大事なことだと思います。例えば、本人を守る人権行使や、いじめを許さない環境など、大人も含めた社会全体の人権擁護につながるからです。日本人の日米地位協定などの外交や国際的人権意識にもつながると思います。)
「5、ジェンダー平等を実現しよう」・・・世界では、女の子だというだけで学校に行かせてもらえなかったり、大人になる前に結婚させられ、出産や家事の切り盛りが当たり前という国がたくさんあります。人身売買の対象になったり、日常的に暴力を振るわれたりする女の子も少なくありません。
また、途上国、先進国問わず、雇用や給与、家事分担、財産、社会の意思決定など多くの場面で女性差別はずっと行われてきています。
女性が自分の人生を自分で決め、能力を発揮することができるように制度や慣行を変えていこうというのが、この目標5なのです。
この目標5の中の169の指標には、「差別撤廃を促進するための法律的枠組みが制定されているか」などがあります。
3つ目は、環境に関することです。
環境は、私たちのエネルギーの使い方や、日ごろから口にする食べ物や水といった資源の作り方や処理の仕方が大きくかかわってきます。
「目標6、安全な水とトイレを世界中に」・・・世界には、きちんと管理された安全な水をすぐに入手できない人が21億人以上いる。
また、人や家畜の糞便、工場排水土壌汚染された地下水を飲んで下痢になり、命を落とす子こどもが年間150万人にのぼる。今後水がさらに汚染されれば、水はさらに高額になり、貧しい人はますます水不足に苦しむ。
途上国での上下水処理や再利用の仕組みを整えること、きれいな水をつくる自然環境を保護、回復していくことが必要。
取組例:水を湖水に流さず、ドラム缶に入れ、微生物で分解するなど
ウォーターエイド・ジャパン「ハンディポッド」
https://www.wateraid.org/jp/blogs/the-handypod-chronicles
この記事は、政治経済担当のA.Cによるものです。
その前に、一つ説明したいことがありまして、SDGs関連で、よく批判的に言われるもので「SDGsウオッシュ」というものがあります。(「○○ウオッシュ」という言葉で、「○○にいいようにみせて、取り繕う」のような意味)「実態が伴っていないのに、上辺だけSDGsへ対応しているように見せかけている」ことを指すことばです。
これについて、私としては、例えそういう企業があるとしても、世界的にさまざまな人がSDGsに取り組み、その効果が検証されていく以上、「優良事例」や「教訓」として生かされることを考えれば、ウオッシュを批判するよりは、できる企業体や団体で、効果も含めできることに取り組んでいくことが大切だと考えます。(たしかに、SDGsの指標には石鹸会社の意向をふまえたものもあり、企業利益のためのものもあります。ただ、それらにより衛生環境が良くなり、企業発案でよいアイディアが実現できればそれでよいと思います。役に立つ技術には、資金が集まり、新しい産業をつくりうるからです。)
その意味では、政府や関係機関による優良事例の収集、公表、世界的な精査がとても大切になると思います。(測ることで、取組を比較し、競争心もかきたてることも、SDGsの狙いの一つです)
次に、SDGsについて、どういう中身か説明したいと思います。
目標やその中身について
「未来を変える目標 SDGsアイディアブック」より
SDGsとは、2030年の世界の姿を表した目標ですが、大きく3つの種類にわけられます。
「1つ目は、経済に関すること」
今後、どうやって経済を成長させるか、産業や技術をどのように革新してけばよいか、仕事の仕方はどうすればいいか、がここに含まれます。17の目標のうち、これに含まれるものとして、
「目標8、生きがい、経済成長」・・・過労死や、働く人の安全、教育、報酬がないがしろにされていないか。
「目標9、産業と技術革新のインフラをつくろう」・・・道路、電力、水道などのインフラがしなやかで持続可能となること。 資源消費型でない技術革新推進など があります。
「2つ目は、社会に関すること」
貧しい人や飢餓に苦しんでいる人をなくし、健康な人を増やしていく。教育がいきわたり、生活しやすいまちや都市をつくっていく。差別や格差をなくしていく。という社会に関する目標の枠組みです。
これに含まれるものとして、
「目標1、貧困をなくそう」・・・1日1.9ドル未満で生活している人をなくす。健康に生きるための水や食べ物、医療を受ける。教育を受ける。女性の立場の改善。
「目標2、飢餓をなくそう」・・・飢餓に苦しむ人は地球上におよそ8億人おり、アジアやアフリカには満足に食べられず栄養が偏り命を落とす子どもや大人がたくさんいる。生態系を守り、土地がやせないように注意して、アジア・アフリカの小さな農家の生産性を上げる取組も必要。また、人口増加や紛争によって飢餓を広げない努力が必要。
「目標3、すべての人に健康を福祉を」・・・特に途上国では医療や健康に関する知識がいきわたらず、肺炎や下痢、マラリアで多くの命が失われている。途上国では、出産時の女性や子の死亡率、エイズや結核などの感染症が健康を脅かしている。
また、先進国含め、たばこ、酒、薬物乱用、交通事故、環境汚染で健康を害する状況を変えていかなければならない。
「目標11、住み続けられる街づくりを」・・・現在、年に暮らす人は世界の半分以上を占める。
そこでは、人口集中による住宅不足、老朽化した建物による危険、大気汚染やゴミ問題、格差の拡大、犯罪などの解決が求められており、人が住み続けられる街をつくるには、住民参加の都市計画や管理に参加できることも欠かせない。
「4、質の高い教育をみんなに」・・・読み書きができない15歳以上の人は、世界に7億人もいる。そのおよそ3分の2が女性。女の子が学校に行かせてもらえない地域が多い。性別や経済力、年齢にかかわらず教育を受けられるようにするのがこの目標。
アフリカの「みんなの学校プロジェクト」は、教員や親の不信感、距離感をなくすべく、教員、親、地域が協働し、年に数回、教育現場の解決策を議論するなどの取組を行い、補習の実施、教室やトイレの整備につながっているとのことです。span>
JICA みんなの学校プロジェクト https://www.jica.go.jp/60th/africa/niger_01.html
https://www.jica.go.jp/aboutoda/ikegami/05/index.html
https://www.jica.go.jp/aboutoda/ikegami/05/p3.html
(話は少しずれますが、私は、人権を教えることが、教育で最も大事なことだと思います。例えば、本人を守る人権行使や、いじめを許さない環境など、大人も含めた社会全体の人権擁護につながるからです。日本人の日米地位協定などの外交や国際的人権意識にもつながると思います。)
「5、ジェンダー平等を実現しよう」・・・世界では、女の子だというだけで学校に行かせてもらえなかったり、大人になる前に結婚させられ、出産や家事の切り盛りが当たり前という国がたくさんあります。人身売買の対象になったり、日常的に暴力を振るわれたりする女の子も少なくありません。
また、途上国、先進国問わず、雇用や給与、家事分担、財産、社会の意思決定など多くの場面で女性差別はずっと行われてきています。
女性が自分の人生を自分で決め、能力を発揮することができるように制度や慣行を変えていこうというのが、この目標5なのです。
この目標5の中の169の指標には、「差別撤廃を促進するための法律的枠組みが制定されているか」などがあります。
3つ目は、環境に関することです。
環境は、私たちのエネルギーの使い方や、日ごろから口にする食べ物や水といった資源の作り方や処理の仕方が大きくかかわってきます。
「目標6、安全な水とトイレを世界中に」・・・世界には、きちんと管理された安全な水をすぐに入手できない人が21億人以上いる。
また、人や家畜の糞便、工場排水土壌汚染された地下水を飲んで下痢になり、命を落とす子こどもが年間150万人にのぼる。今後水がさらに汚染されれば、水はさらに高額になり、貧しい人はますます水不足に苦しむ。
途上国での上下水処理や再利用の仕組みを整えること、きれいな水をつくる自然環境を保護、回復していくことが必要。
取組例:水を湖水に流さず、ドラム缶に入れ、微生物で分解するなど
ウォーターエイド・ジャパン「ハンディポッド」
https://www.wateraid.org/jp/blogs/the-handypod-chronicles
この記事は、政治経済担当のA.Cによるものです。