在日米軍の必要性について
- 2019/06/30
- 11:44
安保のあり方を考える際に、過去に重要な事例がありましたので紹介します。
2009年2月24日小沢一郎氏がヒラリークリントンと面談し、「米軍の極東におけるプレゼンスは第七艦隊で十分」とし、同日の取材に「日本に関わることは日本がより役割分担し、米国とも議論すること」が必要と述べていました。
これは下記リンク記事のように、何も、米軍削減後、自衛隊を増やそうという話ではなく、自分の国益や役割を精査し、米国とも議論していく必要があるという意味もあるとの見解があります。
「在日米軍は第7艦隊だけで十分」 2009年 小沢一郎発言の正当な評価」https://blog.goo.ne.jp/kanayame_47/e/f54665320559098d444aa145cd461bdb
トランプ政権になり、安保のあり方が本気で議論されうるこのチャンスにおいて、(北朝鮮と米国との会談など、これまでの軍産勢力が徐々に変わってきている状況を踏まえ)、日本は、新しい安保を提案する時です。
日本が自分で決めないことには、エネルギー、食糧、環境、石油運送ルート、日本人の衣食住に必要な守りまで、(原発や農薬規制、資産含めて)他国に委ねることになり、それが戦後、既得権益化して、脅されるままに動く状況が続くからです。それは将来の国益を損ねます。
戦後レジームの脱却をするのなら、このような観点からすべきであると考えます。
かつて、田中角栄は石油ではメジャー支配を振り切ってインドネシアやソ連と交渉し、原子力ではフランス、オーストラリア等と独自に手を結ぼうとしました。「田中角栄 封じられた資源戦略」などより
上記本は、今の日本の資源外交に非常に示唆的な内容が多く入っており一部紹介します。これを踏まえ、現在の世界のエネルギ-版図でどう日本が立ち回るかが問われています。
p236の各国の相関図はわかりよいですが、田中角栄が資源メジャーの逆鱗に触れたことそれ自体よりも、それをどう反省し、現代の勢力図で関係を構築するか、そして自立エネルギーのため国内技術を開発するかが必要だと思います。
p292などには、田中時代と異なり、現代では、ロシアのサハリン石油ルートや「新セブンシスターズ」など有力な石油立国、(一方でインドネシアは輸出しなくなった)、原発は技術的に持続困難になっているなどのことが書いてあります。
新セブンシスターズとは、サウジアラビア、マレーシア、ブラジル、ロシア、中国、イラン、ベネズエラにある石油メジャーのことを言います。
そして、ジョン万次郎の会に入ろうとした(田中角栄の系譜を継ぐ)小沢一郎氏について、平野貞夫氏のコメントがあり「田中角栄は米国との関係でつまずいた。米国の権力中枢との間に有効な人脈を築けなかった。」
「ジョン万次郎は日米交渉の原点であり、小沢一郎は「自立と協調」をジョン万次郎に見いだした」
「角栄のやり方を反省しているとわかった。(小沢氏は)アメリカと草の根でしっかりしたパイプを持ちたかったんだ。」と説明しています。(P302)
また、著者は「日本のエネルギー政策には『偏り』が感じられる。自然エネルギー、新エネルギーの開発に消極的なのだ」田中角栄がもし生きていたら、エネルギー供給源を多角化し、『持たざる国』日本の危機を回避するために、グリーン・ニューディールに突っ走った、と想像する自由は残しておこう」と書いています。(P298)
元通産相事務次官角栄の資源外交に深く関わったアラビア石油の小長啓一氏のコメントも紹介します。日本の資源外交の指針について
「国際的なコンソーシアム(企業連合)の中でポジションを占めて、やっていくしかない。石油を一定水準で安定的に輸入する。これを当然の前提としながら、省エネルギー、代替エネルギー、新エネルギーの開発に新技術を活用していく。それが日本の売り物になるんじゃないでしょうか。低炭素社会の実現が、石油会社にとっても、生きる道になるのでしょうね。」(p292)(上記書籍からの紹介以上)
日本のエネルギー、食糧の依存は、日本人は平時にはあまり意識していませんが、非常に深刻な問題です。原発が各地にあることも非常に脆弱です。日本人は、自立について当事者意識を持ち、この転換を図るべきです。
報道では、トランプ安保見直し発言を、「単なる取引、脅し」、「軍事予算がさらに増える」という文脈で報道していますが、安保見直しは、それを超える意味を持っています。
安保見直しを、米国の脅しととるか、日本にとってチャンスととるかで今後の展開が変わると思います。単なる軍事の話でなく、何より、国民の意識が変わることが重要です。日本から提案し、自立を志向することです。
これを機に、日本がエネルギー、食糧のより安定的な確保をめざす。
外交的にも、もっと中国、ロシアと親密になる行動を継続する、日本が自分の頭で国益を考え、他の国々とも交わる。パイプを持つ。
また、日本は、「そもそも原発があり中国やロシアなどとの交戦は難しい」との現状認識を持つ。
マスコミ、日本の野党、与党、外務官僚などは、戦後の価値観にとらわれ、安保破棄と言われると、破棄はありえない、見直しに伴う自衛隊の埋め合わせに反対など、与野党ともに思考停止するかと思われます。
官僚の多くは、自衛隊主体だと中国の脅威に対抗できないからと、慌てて米軍慰留、空母やF35などの高額で役に立たない武器のさらなる購入、(実は様々行われていますが)米カリフォルニアなどへの資金投資、これまで日本が国民の生活、衣食住を守ってきた規制緩和に走る可能性があります。
そして、予算のみならず、自衛隊員の命、国民の命(護郷隊編成)も差し出す可能性もあります。
国民がこれに気づくことが、マスコミや条例、SNSでの周知が大切になってきます。
米軍人が撤退することは、米国が本格的な戦争に備え中国から離れるととることができます。
しかし、だからといって日本が、軍駐留にこだわり、外国軍の駐留を求め続けるのは主権国家として異常です。外国軍が駐留する状態を「占領」といいます。
中国が日本と戦争したいというマインドはさほど高くないはずです。そもそも、本気で日本を潰したいなら、他の方法をとるはずです。原発にサイバーテロをすれば日本は手も足も出ません。
そしてこれは軍や陸自の駐留では解決できない問題です。
むしろ、中国は、日本の技術力やサービスと連携して、中国の市場価値を上げたい、国としてのステータスを上げたい、世界の覇権をとりたいと思うのではないでしょうか。
中国の大学生など若者たちも、インターネットの普及により、日本の文化や人々と交わりつつあり、日本を潰したいと考えている中国人は減ってきていると思います。日本の大衆文化、娯楽、炊飯器、薬、化粧品など、日本の工業製品や大衆文化にあこがれを持っているはずです。
中国が体制維持のため国策で行った、80年代の「反日教育」を乗り越え、現代では、世界や日本ともっと交流したい、購入したい、文化的に交わりたいと考えている中国人は増えつつあると思います。
(一方で、大国による無作為な投資、一方的な買収を阻止することも必要です。投資家と国内の政治家との癒着に警戒すべきです。)
であれば、日本は、中国やロシアに対しても民間交流、ネットや中国のメディアを使った日本のイメージをよくする戦略をとる。イメージ戦略をどんどん打ち出すべきです。(そのために中国のことと、周辺国をめいっぱい調べるべきです。)投資や買収、貿易対策を打つべきです。
米国に話を戻しますが、このままでは、今後、F35、105機のみならず、空母(沈没すれば5千人が犠牲)、ミサイル(飛来するものを満足に打ち落とせない)、イージスアショアなどを買わされる可能性もあります。今後、無人機も目が飛び出る値段で売られるでしょう。これらが、本当に必要なのか、日本国民やメディアが兵器の役割や価格を知り、本当に必要なのか、真剣に議論すべきです。
米国が日本を見捨てると言うことはまずありません。日本は「米国にとっての」重要な対中防衛線だからです。
日本が非軍事化していくことは、主戦場になることを避けられるメリットがあります。
一国に従うのでなく、多国間の民間交流を進めるべきです。複数の民間企業や政府、地方自治体でも、協定を結んでつながっていけば、数年で大きな成果が出る可能性があります。国内でも国外でも、関係者のつてを広げることです。
日本が、民間交流を深め、中国、ロシアや東南アジアと仲良くし、ASEAN+3(日中韓)など、多元的なコネクションを持ち、安定化に努めるべきです。緊張を高めるのでなく、エネルギーでも、食糧でも、安全でも、パイプを増やしたほうが、互いの発展につながります。まず、出向くことです。協定や連携を交わすことです。
この記事は、政治経済担当のA.Cによる記事です。
2009年2月24日小沢一郎氏がヒラリークリントンと面談し、「米軍の極東におけるプレゼンスは第七艦隊で十分」とし、同日の取材に「日本に関わることは日本がより役割分担し、米国とも議論すること」が必要と述べていました。
これは下記リンク記事のように、何も、米軍削減後、自衛隊を増やそうという話ではなく、自分の国益や役割を精査し、米国とも議論していく必要があるという意味もあるとの見解があります。
「在日米軍は第7艦隊だけで十分」 2009年 小沢一郎発言の正当な評価」https://blog.goo.ne.jp/kanayame_47/e/f54665320559098d444aa145cd461bdb
トランプ政権になり、安保のあり方が本気で議論されうるこのチャンスにおいて、(北朝鮮と米国との会談など、これまでの軍産勢力が徐々に変わってきている状況を踏まえ)、日本は、新しい安保を提案する時です。
日本が自分で決めないことには、エネルギー、食糧、環境、石油運送ルート、日本人の衣食住に必要な守りまで、(原発や農薬規制、資産含めて)他国に委ねることになり、それが戦後、既得権益化して、脅されるままに動く状況が続くからです。それは将来の国益を損ねます。
戦後レジームの脱却をするのなら、このような観点からすべきであると考えます。
かつて、田中角栄は石油ではメジャー支配を振り切ってインドネシアやソ連と交渉し、原子力ではフランス、オーストラリア等と独自に手を結ぼうとしました。「田中角栄 封じられた資源戦略」などより
上記本は、今の日本の資源外交に非常に示唆的な内容が多く入っており一部紹介します。これを踏まえ、現在の世界のエネルギ-版図でどう日本が立ち回るかが問われています。
p236の各国の相関図はわかりよいですが、田中角栄が資源メジャーの逆鱗に触れたことそれ自体よりも、それをどう反省し、現代の勢力図で関係を構築するか、そして自立エネルギーのため国内技術を開発するかが必要だと思います。
p292などには、田中時代と異なり、現代では、ロシアのサハリン石油ルートや「新セブンシスターズ」など有力な石油立国、(一方でインドネシアは輸出しなくなった)、原発は技術的に持続困難になっているなどのことが書いてあります。
新セブンシスターズとは、サウジアラビア、マレーシア、ブラジル、ロシア、中国、イラン、ベネズエラにある石油メジャーのことを言います。
そして、ジョン万次郎の会に入ろうとした(田中角栄の系譜を継ぐ)小沢一郎氏について、平野貞夫氏のコメントがあり「田中角栄は米国との関係でつまずいた。米国の権力中枢との間に有効な人脈を築けなかった。」
「ジョン万次郎は日米交渉の原点であり、小沢一郎は「自立と協調」をジョン万次郎に見いだした」
「角栄のやり方を反省しているとわかった。(小沢氏は)アメリカと草の根でしっかりしたパイプを持ちたかったんだ。」と説明しています。(P302)
また、著者は「日本のエネルギー政策には『偏り』が感じられる。自然エネルギー、新エネルギーの開発に消極的なのだ」田中角栄がもし生きていたら、エネルギー供給源を多角化し、『持たざる国』日本の危機を回避するために、グリーン・ニューディールに突っ走った、と想像する自由は残しておこう」と書いています。(P298)
元通産相事務次官角栄の資源外交に深く関わったアラビア石油の小長啓一氏のコメントも紹介します。日本の資源外交の指針について
「国際的なコンソーシアム(企業連合)の中でポジションを占めて、やっていくしかない。石油を一定水準で安定的に輸入する。これを当然の前提としながら、省エネルギー、代替エネルギー、新エネルギーの開発に新技術を活用していく。それが日本の売り物になるんじゃないでしょうか。低炭素社会の実現が、石油会社にとっても、生きる道になるのでしょうね。」(p292)(上記書籍からの紹介以上)
日本のエネルギー、食糧の依存は、日本人は平時にはあまり意識していませんが、非常に深刻な問題です。原発が各地にあることも非常に脆弱です。日本人は、自立について当事者意識を持ち、この転換を図るべきです。
報道では、トランプ安保見直し発言を、「単なる取引、脅し」、「軍事予算がさらに増える」という文脈で報道していますが、安保見直しは、それを超える意味を持っています。
安保見直しを、米国の脅しととるか、日本にとってチャンスととるかで今後の展開が変わると思います。単なる軍事の話でなく、何より、国民の意識が変わることが重要です。日本から提案し、自立を志向することです。
これを機に、日本がエネルギー、食糧のより安定的な確保をめざす。
外交的にも、もっと中国、ロシアと親密になる行動を継続する、日本が自分の頭で国益を考え、他の国々とも交わる。パイプを持つ。
また、日本は、「そもそも原発があり中国やロシアなどとの交戦は難しい」との現状認識を持つ。
マスコミ、日本の野党、与党、外務官僚などは、戦後の価値観にとらわれ、安保破棄と言われると、破棄はありえない、見直しに伴う自衛隊の埋め合わせに反対など、与野党ともに思考停止するかと思われます。
官僚の多くは、自衛隊主体だと中国の脅威に対抗できないからと、慌てて米軍慰留、空母やF35などの高額で役に立たない武器のさらなる購入、(実は様々行われていますが)米カリフォルニアなどへの資金投資、これまで日本が国民の生活、衣食住を守ってきた規制緩和に走る可能性があります。
そして、予算のみならず、自衛隊員の命、国民の命(護郷隊編成)も差し出す可能性もあります。
国民がこれに気づくことが、マスコミや条例、SNSでの周知が大切になってきます。
米軍人が撤退することは、米国が本格的な戦争に備え中国から離れるととることができます。
しかし、だからといって日本が、軍駐留にこだわり、外国軍の駐留を求め続けるのは主権国家として異常です。外国軍が駐留する状態を「占領」といいます。
中国が日本と戦争したいというマインドはさほど高くないはずです。そもそも、本気で日本を潰したいなら、他の方法をとるはずです。原発にサイバーテロをすれば日本は手も足も出ません。
そしてこれは軍や陸自の駐留では解決できない問題です。
むしろ、中国は、日本の技術力やサービスと連携して、中国の市場価値を上げたい、国としてのステータスを上げたい、世界の覇権をとりたいと思うのではないでしょうか。
中国の大学生など若者たちも、インターネットの普及により、日本の文化や人々と交わりつつあり、日本を潰したいと考えている中国人は減ってきていると思います。日本の大衆文化、娯楽、炊飯器、薬、化粧品など、日本の工業製品や大衆文化にあこがれを持っているはずです。
中国が体制維持のため国策で行った、80年代の「反日教育」を乗り越え、現代では、世界や日本ともっと交流したい、購入したい、文化的に交わりたいと考えている中国人は増えつつあると思います。
(一方で、大国による無作為な投資、一方的な買収を阻止することも必要です。投資家と国内の政治家との癒着に警戒すべきです。)
であれば、日本は、中国やロシアに対しても民間交流、ネットや中国のメディアを使った日本のイメージをよくする戦略をとる。イメージ戦略をどんどん打ち出すべきです。(そのために中国のことと、周辺国をめいっぱい調べるべきです。)投資や買収、貿易対策を打つべきです。
米国に話を戻しますが、このままでは、今後、F35、105機のみならず、空母(沈没すれば5千人が犠牲)、ミサイル(飛来するものを満足に打ち落とせない)、イージスアショアなどを買わされる可能性もあります。今後、無人機も目が飛び出る値段で売られるでしょう。これらが、本当に必要なのか、日本国民やメディアが兵器の役割や価格を知り、本当に必要なのか、真剣に議論すべきです。
米国が日本を見捨てると言うことはまずありません。日本は「米国にとっての」重要な対中防衛線だからです。
日本が非軍事化していくことは、主戦場になることを避けられるメリットがあります。
一国に従うのでなく、多国間の民間交流を進めるべきです。複数の民間企業や政府、地方自治体でも、協定を結んでつながっていけば、数年で大きな成果が出る可能性があります。国内でも国外でも、関係者のつてを広げることです。
日本が、民間交流を深め、中国、ロシアや東南アジアと仲良くし、ASEAN+3(日中韓)など、多元的なコネクションを持ち、安定化に努めるべきです。緊張を高めるのでなく、エネルギーでも、食糧でも、安全でも、パイプを増やしたほうが、互いの発展につながります。まず、出向くことです。協定や連携を交わすことです。
この記事は、政治経済担当のA.Cによる記事です。