6月13日にイラン沖で発生した、日本の会社タンカーへの砲撃について
- 2019/06/15
- 15:42
6月13日、イラン沖のホルムズ海峡近くで、日本の海運会社が運航するタンカーなど2隻が砲撃を受けました。
安倍首相は、ちょうどイランに米国と仲介する訪問中でした。6月14日、トランプ大統領と電話会談した後、「いかなる者が攻撃したにせよ断固批判する」と自制を求めています。
日本としては、仲介を買っている以上、極力イランを名指しせず、バランスを保ってほしいと思います。
アメリカ政府内には、外交担当のボルトン大統領補佐官など、イランと戦争をして反米勢力を除こうとする勢力がいます。
日本は、こういう勢力の圧力などで中東の戦争に参加・出資させられないようにしていただきたいです。
日本がユーラシアに隣接する以上、中立でいる方が国益に資するからです。
日本はサンタ外交でなく、しっかりした交流、技術支援をすべきです。そのために、企業の知恵を含め、他国に役立つ技術やノウハウの蓄積し、活用することが必要かと思います。
米大統領は、今回の攻撃を「イランがやった」と批判し、証拠とする映像を公開していますが、それは船の人々がタンカーから何かを取り外している映像であって、この映像を「イラン軍が証拠隠滅を図った」ものとしていますが、イランはこれを否定しています。
また、現在、イラン大統領のロハウニ氏や指導者のハネメイ師は、オバマ政権時に核合意まで結んだ穏健派です。軍隊は穏健な政権に反対とのことですが、その国が急に、海外船に攻撃を仕掛けることまでするのかを冷静に見極める必要があると思います。
今回のタンカーの乗組員も、攻撃された時に飛来物を見たと証言しており、映像による機雷や魚雷の攻撃を否定しています。明るい時間に、証拠隠滅に大人数を派遣するのは疑問があるなど、アメリカ映像の証拠を否定する意見も相次いでいます。
イラン軍(革命防衛軍)は、アメリカの経済制裁により国内利権を拡大し、イランが他国と協調することを嫌がっているとされますので、その一部を利用して攻撃させた可能性も否定はできないと考えます。
下記は、経済制裁下で利益を得ている例です。
イラン革命防衛隊、インフラ建設や密輸が新たな資金源
(攻撃の主体が不明である以上、かつてアメリカが、戦争に参加するために、自分の国の船に自作自演で攻撃させた、メーン号事件、ルシタニア号事件、ベトナムでのトンキン湾事件、そして戦争する根拠のなかった9.11事件がこれまでなされたことを思い出す必要があります。
主戦派は今後、また新たな「証拠」のようなものを出し、世論誘導を図ったり、同盟国の攻撃賛同表明を促してくる可能性がありますが、関係国、マスコミ、各国民は、情にかき立てられて意図的な戦争に入らないよう、事態を冷静に見つめ、連帯して戦争への圧力に負けないようにする必要があります。)
また、トランプ氏も、来年に選挙を予定し、いろいろ計算やユダヤ支持基盤の圧力もあると思いますが、氏が冷静に対処することを願います。
参考報道
「タンカー攻撃はテロ組織が関与」 イラン革命防衛隊元司令官が指摘
https://www.sankei.com/world/news/190613/wor1906130035-n1.html
ホルムズ海峡タンカー「飛来物で攻撃」 運航会社が説明
https://www.asahi.com/articles/ASM6G4G7BM6GUTIL01K.html
なぜ、今回このような緊張が生じているかについてですが、
大きな点として、(イラクやシリアのように)世界の反米勢力を許さない、アメリカが、イランとその後ろにある中国、ロシアの一体一路、ユーラシア経済圏をそのままにしたくない、早めに潰したいという事情があると言われています。
そして、アメリカによる中東の石油、ドル支配を守る、巻き返すためと言われます。
要するに中国の台頭に対するアメリカの焦りがあります。米国内部のこれまでの利権が奪われるという危機感です。
トランプ大統領自身は、北朝鮮やシリア政策など、世界の戦争に関わることを避けてきましたが、アメリカの外交責任者のジョン・ボルトン大統領補佐官、米軍を利用するイスラエルのネタニヤフ大統領、アメリカが武器供与するサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子らは、アメリカと武器を売買することで連携しています。
アメリカは、この5月から、イランに実質的な宣戦布告となる、石油・金属類の輸出禁止措置を行いましたが、この嫌がらせによりイランは核合意からの離脱も検討しています。イランが核の再開発をすれば、北朝鮮などへの拡散も懸念されます。
イランをいじめると、世界が不安定化し核戦争のリスク増、中ロとアメリカの対立も深刻化します。
米、核合意停止でイラン追加制裁…金属取引禁
https://www.yomiuri.co.jp/world/20190509-OYT1T50145/
関係国がテロや攻撃に煽られることなく、冷静になり、何より米国とイランが対話を重ね、輸出禁止措置を解くこと。そうしてイランと欧米が交渉し、互いのために、世界のために、よりよい核合意を締結することができたらと願います。
トランプ氏が、米政府内で、どうボルトン氏ら好戦派の影響を抑えることができるかが、彼等をどうしていくのかが重要な意味を持ちます。
日本人も遠くのイランだからといって「ああ、戦争になるかもしれないね」などと、他人事に構えるのではなく、この場所の紛争が、ユーラシアや中東の安定、日本も大きく関わることを知っていただきたいです。イラク戦争のような不正義を許していいのか。それが日本の安保法制にも影響を与えました。
何より紛争があれば、そのエリアや関係国の一般市民が世界戦略のために巻き込まれ、犠牲になります。
テロや意図的な破壊や拡散を回避するには、各国の関心、情報共有、冷静な対処が必要です。
武力行使で権利や資源を奪おうとするやり方を、この時代から変えていけないでしょうか。
互いの持続可能性のために、多くの人々にとって価値のあるものを生み出し、市場や価値を獲得し、経済成長するような方法はないでしょうか。
その意味でも、今回のイラン(中国、ロシア)とアメリカ(イスラエル、サウジアラビア)の対立は、選挙のために他国はどうなってもよいと利権争いに走るのでなく、何としても回避してほしいと思います。
この記事は、政治経済担当のA.Cによる記事です。
安倍首相は、ちょうどイランに米国と仲介する訪問中でした。6月14日、トランプ大統領と電話会談した後、「いかなる者が攻撃したにせよ断固批判する」と自制を求めています。
日本としては、仲介を買っている以上、極力イランを名指しせず、バランスを保ってほしいと思います。
アメリカ政府内には、外交担当のボルトン大統領補佐官など、イランと戦争をして反米勢力を除こうとする勢力がいます。
日本は、こういう勢力の圧力などで中東の戦争に参加・出資させられないようにしていただきたいです。
日本がユーラシアに隣接する以上、中立でいる方が国益に資するからです。
日本はサンタ外交でなく、しっかりした交流、技術支援をすべきです。そのために、企業の知恵を含め、他国に役立つ技術やノウハウの蓄積し、活用することが必要かと思います。
米大統領は、今回の攻撃を「イランがやった」と批判し、証拠とする映像を公開していますが、それは船の人々がタンカーから何かを取り外している映像であって、この映像を「イラン軍が証拠隠滅を図った」ものとしていますが、イランはこれを否定しています。
また、現在、イラン大統領のロハウニ氏や指導者のハネメイ師は、オバマ政権時に核合意まで結んだ穏健派です。軍隊は穏健な政権に反対とのことですが、その国が急に、海外船に攻撃を仕掛けることまでするのかを冷静に見極める必要があると思います。
今回のタンカーの乗組員も、攻撃された時に飛来物を見たと証言しており、映像による機雷や魚雷の攻撃を否定しています。明るい時間に、証拠隠滅に大人数を派遣するのは疑問があるなど、アメリカ映像の証拠を否定する意見も相次いでいます。
イラン軍(革命防衛軍)は、アメリカの経済制裁により国内利権を拡大し、イランが他国と協調することを嫌がっているとされますので、その一部を利用して攻撃させた可能性も否定はできないと考えます。
下記は、経済制裁下で利益を得ている例です。
イラン革命防衛隊、インフラ建設や密輸が新たな資金源
(攻撃の主体が不明である以上、かつてアメリカが、戦争に参加するために、自分の国の船に自作自演で攻撃させた、メーン号事件、ルシタニア号事件、ベトナムでのトンキン湾事件、そして戦争する根拠のなかった9.11事件がこれまでなされたことを思い出す必要があります。
主戦派は今後、また新たな「証拠」のようなものを出し、世論誘導を図ったり、同盟国の攻撃賛同表明を促してくる可能性がありますが、関係国、マスコミ、各国民は、情にかき立てられて意図的な戦争に入らないよう、事態を冷静に見つめ、連帯して戦争への圧力に負けないようにする必要があります。)
また、トランプ氏も、来年に選挙を予定し、いろいろ計算やユダヤ支持基盤の圧力もあると思いますが、氏が冷静に対処することを願います。
参考報道
「タンカー攻撃はテロ組織が関与」 イラン革命防衛隊元司令官が指摘
https://www.sankei.com/world/news/190613/wor1906130035-n1.html
ホルムズ海峡タンカー「飛来物で攻撃」 運航会社が説明
https://www.asahi.com/articles/ASM6G4G7BM6GUTIL01K.html
なぜ、今回このような緊張が生じているかについてですが、
大きな点として、(イラクやシリアのように)世界の反米勢力を許さない、アメリカが、イランとその後ろにある中国、ロシアの一体一路、ユーラシア経済圏をそのままにしたくない、早めに潰したいという事情があると言われています。
そして、アメリカによる中東の石油、ドル支配を守る、巻き返すためと言われます。
要するに中国の台頭に対するアメリカの焦りがあります。米国内部のこれまでの利権が奪われるという危機感です。
トランプ大統領自身は、北朝鮮やシリア政策など、世界の戦争に関わることを避けてきましたが、アメリカの外交責任者のジョン・ボルトン大統領補佐官、米軍を利用するイスラエルのネタニヤフ大統領、アメリカが武器供与するサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子らは、アメリカと武器を売買することで連携しています。
アメリカは、この5月から、イランに実質的な宣戦布告となる、石油・金属類の輸出禁止措置を行いましたが、この嫌がらせによりイランは核合意からの離脱も検討しています。イランが核の再開発をすれば、北朝鮮などへの拡散も懸念されます。
イランをいじめると、世界が不安定化し核戦争のリスク増、中ロとアメリカの対立も深刻化します。
米、核合意停止でイラン追加制裁…金属取引禁
https://www.yomiuri.co.jp/world/20190509-OYT1T50145/
関係国がテロや攻撃に煽られることなく、冷静になり、何より米国とイランが対話を重ね、輸出禁止措置を解くこと。そうしてイランと欧米が交渉し、互いのために、世界のために、よりよい核合意を締結することができたらと願います。
トランプ氏が、米政府内で、どうボルトン氏ら好戦派の影響を抑えることができるかが、彼等をどうしていくのかが重要な意味を持ちます。
日本人も遠くのイランだからといって「ああ、戦争になるかもしれないね」などと、他人事に構えるのではなく、この場所の紛争が、ユーラシアや中東の安定、日本も大きく関わることを知っていただきたいです。イラク戦争のような不正義を許していいのか。それが日本の安保法制にも影響を与えました。
何より紛争があれば、そのエリアや関係国の一般市民が世界戦略のために巻き込まれ、犠牲になります。
テロや意図的な破壊や拡散を回避するには、各国の関心、情報共有、冷静な対処が必要です。
武力行使で権利や資源を奪おうとするやり方を、この時代から変えていけないでしょうか。
互いの持続可能性のために、多くの人々にとって価値のあるものを生み出し、市場や価値を獲得し、経済成長するような方法はないでしょうか。
その意味でも、今回のイラン(中国、ロシア)とアメリカ(イスラエル、サウジアラビア)の対立は、選挙のために他国はどうなってもよいと利権争いに走るのでなく、何としても回避してほしいと思います。
この記事は、政治経済担当のA.Cによる記事です。