自分の国の食や経済、インフラを守る各国の取組について(マレーシア、ロシア、フランス)
- 2019/05/30
- 07:25
日本にとっても政治、国を変えていく大事なヒントになると思われましたので、続けて紹介します。
「日本が売られる」などの情報より
2.マハティール氏が行った消費税廃止、国内企業、国内産業保護策
92歳でマレーシアの大統領となったマハティール氏は、2018年6月、「政権交代から100日以内の消費税廃止」を掲げ、下院選で勝利して、消費税を廃止しました。
日本では議論になりませんが「消費税を廃止すれば、消費が増え資金が回って景気が回復し、法人税や所得税からの税収も伸びる傾向がある」からです。
逆に日本では、企業分を減税して優遇し、医療、介護、教育でも、国民の負担を増やす政策をとっています。
(もっと日本の強みが伸びるように、累進課税、従業員や国民の労働を守り育てる日本型経営を復活し、さらに環境保全、他国産業貢献型、共存、協力型の日本らしい産業を進化させたほうがよいと思います。)
マハティール氏は、1997年にアジア通貨危機が起きた際、通貨危機の原因が、ヘッジファンド(富裕層向けの私的な投資組合)による行き過ぎたマネーゲームにあることを見抜き、短期資本の取引を規制し、投機型資本を排除しました。
そうして国内投資、内需拡大による経済の立て直しを行い、金利を下げて公共事業に予算を投じ、いち早く景気回復しました。
一方、(海外投資家の利益を追求する)IMFが求める緊縮財政や国内インフラの民営化、金利引き上げを受け入れた、韓国、タイ、インドネシアでは、失業率が上がり、貧富の差が拡大し、政情不安を引き起こしました。(日本が近い状態になる可能性があります)
マハティール氏は、「自分さえ良ければいい」という西洋型個人主義を見直し、会社同士は競争しても、自社の社員は家族のように面倒を見て、何かあれば大切に守ることの大切さを説いています。
(過去記事)日本人が自信を持ち、アジアの発展に貢献することの大切さについて
http://inorinowa2.blog.fc2.com/blog-entry-201.html
http://inorinowa2.blog.fc2.com/blog-entry-202.html
マハティール氏は、「集団の利益を大切にし、真面目に一生懸命仕事に取り組むことが日本を再びいい国にする。他国の言いなりにならずに自分の考えで行動してほしい」と訴えています。
3.ロシアの食糧自給率100%、食の安全、輸出に向けた有機農業推進
ロシアは、2015年に、2020年までに食糧自給率100%達成することを目標に掲げ、アメリカの遺伝子組み換え食品を嫌うヨーロッパ市場などを対象に、ハイテク有機農産物を輸出する政策を推進しています。経済制裁の中、国内投資を促し、巨大温室を作り、農薬も化学肥料も一切使わないキュウリやトマトなどを栽培。「クリーンで、健康的で、安全な」ハイテク有機農業を進めています。
また、ロシアはモンサント社やシンジェンタ社から購入している種子を自給することを目的に、種子開発センター建設プロジェクトに取り組んでいます。時間はかかるが安全で環境を汚さない、他品種との交配でつくるハイブリッド種子開発を行っています。
ロシアの食の安全基準は厳しく、2014年7月には、モスクワの裁判所が、マクドナルド社に対し、食品安全基準を上回る脂肪や糖分、炭水化物が使用されているとして、安全法違反で提訴しています。2015年には、遺伝子組み換え作物の商業作付けを禁止。
持続可能な経済モデルを目指し、国民生活に直結する農業、エネルギー、教育、住宅などの分野を、「優先的国家プロジェクト」として強化し取り組んでいます。
ロシア、富豪の投資で農業振興 食料自給率向上、輸出も増加
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/160618/mcb1606180500002-n1.htm
ロシア、農業立て直しに積極投資 制裁で食品輸入減、自給率の増強図る
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/180504/mcb1805040500005-n2.htm
4.フランス・パリでの水道再公営化
パリでは、1985年から水道事業の運営をヴェオリア社とスエズ社に委託していました。
その結果、水道料金に役員報酬や株主配当が上乗せされて、料金が倍以上に跳ね上がり、施設の老朽化も放置されるようになりました。
水道事業に対し、長年市民の不満が募る中、「水道再公営化」「水道料金値上げなし」を公約に掲げた新市長が2009年に当選。高額でしたが水道事業の株式を買い戻し再公営化しました。
役員報酬や株式配当に充てられていた出費を水道サービスに戻し、約45億円のコスト削減を達成しています。
再公営化を通じパリ市民は水事業に意識的になり、自治体議員、環境、消費者団体、企業などの層が参加する「パリ監査組織」が設置され、運営に参加するようになりました。
その結果、貧困家庭への料金の3割補助の実施や、水質維持のための有機農業農家への支援、水源地周辺を買い上げて植林するなどのプロジェクトが行われた。
地熱発電に取り組み、市が再開発を進める「エコ地区」で、温水を家庭に提供する取組も行われています。
(地熱発電は、日本も脱原発のために進める価値があります。燃料もいりません。今の原発利権システムを変えていくことも大切です。)
世界の地熱発電を支える日本メーカー 地熱用タービンの7割は日本製!
https://www.chinetsukyokai.com/information/sekai.html
今回、マレーシア、ロシア、パリの、自国の食や経済を守る例について述べましたが、
イタリアの五つ星運動や、パリ水道再公営化などのように、市民が意識的になり、市民が、みんなのために、地域や政治の発展に積極的に関わっていくことが、21世紀以降、各国に求められている民主主義だと思います。
それが先述のように、意識的な人々により各地で実践されつつあります。
日本もそのように変わっていくには、まず、日本国民自身が、現状や制度の実情をよく知ることが大切だと思います。そして、国民おのおのが、他者や社会の未来に対し、関心や想像力を持つことが大切だと思います。そして自分の地域に自分の足で出向き、変えていくことです。
収奪や支配、地球の汚染、非人間的労働、実質的な格差がある実態を市民がよく知り、その逆を張るアイディアを使ったり、市民が、人間的な自分の心や頭を活かすような取組が必要です。
その意味で、現状を知ることは、未来を変える大きなヒントになります。
繰り返しになりますが、アイディアをつくり、対話して地域を変えていくことが必要です。
この記事は、政治経済担当のA.Cによる記事です。
「日本が売られる」などの情報より
2.マハティール氏が行った消費税廃止、国内企業、国内産業保護策
92歳でマレーシアの大統領となったマハティール氏は、2018年6月、「政権交代から100日以内の消費税廃止」を掲げ、下院選で勝利して、消費税を廃止しました。
日本では議論になりませんが「消費税を廃止すれば、消費が増え資金が回って景気が回復し、法人税や所得税からの税収も伸びる傾向がある」からです。
逆に日本では、企業分を減税して優遇し、医療、介護、教育でも、国民の負担を増やす政策をとっています。
(もっと日本の強みが伸びるように、累進課税、従業員や国民の労働を守り育てる日本型経営を復活し、さらに環境保全、他国産業貢献型、共存、協力型の日本らしい産業を進化させたほうがよいと思います。)
マハティール氏は、1997年にアジア通貨危機が起きた際、通貨危機の原因が、ヘッジファンド(富裕層向けの私的な投資組合)による行き過ぎたマネーゲームにあることを見抜き、短期資本の取引を規制し、投機型資本を排除しました。
そうして国内投資、内需拡大による経済の立て直しを行い、金利を下げて公共事業に予算を投じ、いち早く景気回復しました。
一方、(海外投資家の利益を追求する)IMFが求める緊縮財政や国内インフラの民営化、金利引き上げを受け入れた、韓国、タイ、インドネシアでは、失業率が上がり、貧富の差が拡大し、政情不安を引き起こしました。(日本が近い状態になる可能性があります)
マハティール氏は、「自分さえ良ければいい」という西洋型個人主義を見直し、会社同士は競争しても、自社の社員は家族のように面倒を見て、何かあれば大切に守ることの大切さを説いています。
(過去記事)日本人が自信を持ち、アジアの発展に貢献することの大切さについて
http://inorinowa2.blog.fc2.com/blog-entry-201.html
http://inorinowa2.blog.fc2.com/blog-entry-202.html
マハティール氏は、「集団の利益を大切にし、真面目に一生懸命仕事に取り組むことが日本を再びいい国にする。他国の言いなりにならずに自分の考えで行動してほしい」と訴えています。
3.ロシアの食糧自給率100%、食の安全、輸出に向けた有機農業推進
ロシアは、2015年に、2020年までに食糧自給率100%達成することを目標に掲げ、アメリカの遺伝子組み換え食品を嫌うヨーロッパ市場などを対象に、ハイテク有機農産物を輸出する政策を推進しています。経済制裁の中、国内投資を促し、巨大温室を作り、農薬も化学肥料も一切使わないキュウリやトマトなどを栽培。「クリーンで、健康的で、安全な」ハイテク有機農業を進めています。
また、ロシアはモンサント社やシンジェンタ社から購入している種子を自給することを目的に、種子開発センター建設プロジェクトに取り組んでいます。時間はかかるが安全で環境を汚さない、他品種との交配でつくるハイブリッド種子開発を行っています。
ロシアの食の安全基準は厳しく、2014年7月には、モスクワの裁判所が、マクドナルド社に対し、食品安全基準を上回る脂肪や糖分、炭水化物が使用されているとして、安全法違反で提訴しています。2015年には、遺伝子組み換え作物の商業作付けを禁止。
持続可能な経済モデルを目指し、国民生活に直結する農業、エネルギー、教育、住宅などの分野を、「優先的国家プロジェクト」として強化し取り組んでいます。
ロシア、富豪の投資で農業振興 食料自給率向上、輸出も増加
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/160618/mcb1606180500002-n1.htm
ロシア、農業立て直しに積極投資 制裁で食品輸入減、自給率の増強図る
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/180504/mcb1805040500005-n2.htm
4.フランス・パリでの水道再公営化
パリでは、1985年から水道事業の運営をヴェオリア社とスエズ社に委託していました。
その結果、水道料金に役員報酬や株主配当が上乗せされて、料金が倍以上に跳ね上がり、施設の老朽化も放置されるようになりました。
水道事業に対し、長年市民の不満が募る中、「水道再公営化」「水道料金値上げなし」を公約に掲げた新市長が2009年に当選。高額でしたが水道事業の株式を買い戻し再公営化しました。
役員報酬や株式配当に充てられていた出費を水道サービスに戻し、約45億円のコスト削減を達成しています。
再公営化を通じパリ市民は水事業に意識的になり、自治体議員、環境、消費者団体、企業などの層が参加する「パリ監査組織」が設置され、運営に参加するようになりました。
その結果、貧困家庭への料金の3割補助の実施や、水質維持のための有機農業農家への支援、水源地周辺を買い上げて植林するなどのプロジェクトが行われた。
地熱発電に取り組み、市が再開発を進める「エコ地区」で、温水を家庭に提供する取組も行われています。
(地熱発電は、日本も脱原発のために進める価値があります。燃料もいりません。今の原発利権システムを変えていくことも大切です。)
世界の地熱発電を支える日本メーカー 地熱用タービンの7割は日本製!
https://www.chinetsukyokai.com/information/sekai.html
今回、マレーシア、ロシア、パリの、自国の食や経済を守る例について述べましたが、
イタリアの五つ星運動や、パリ水道再公営化などのように、市民が意識的になり、市民が、みんなのために、地域や政治の発展に積極的に関わっていくことが、21世紀以降、各国に求められている民主主義だと思います。
それが先述のように、意識的な人々により各地で実践されつつあります。
日本もそのように変わっていくには、まず、日本国民自身が、現状や制度の実情をよく知ることが大切だと思います。そして、国民おのおのが、他者や社会の未来に対し、関心や想像力を持つことが大切だと思います。そして自分の地域に自分の足で出向き、変えていくことです。
収奪や支配、地球の汚染、非人間的労働、実質的な格差がある実態を市民がよく知り、その逆を張るアイディアを使ったり、市民が、人間的な自分の心や頭を活かすような取組が必要です。
その意味で、現状を知ることは、未来を変える大きなヒントになります。
繰り返しになりますが、アイディアをつくり、対話して地域を変えていくことが必要です。
この記事は、政治経済担当のA.Cによる記事です。