日本人が自信を持ち、アジアの発展に貢献することの大切さについて (その1)
- 2019/04/24
- 07:23
しばらくぶりの記事掲載になりました。しばらく情報発信ができず申し訳ありませんでした。
今回、マハティールさんのアドバイスについて書きたいと思います。
日本人の特性やいくべき道筋について、国内の視点ではわかりにくいことも多いのですが、
戦前、戦後から日本を見てきた、現在93歳になり、マレーシアで現役の大統領をされているマハティール氏は、日本のシステムを学ぶ、ルックイースト政策で有名な方ですが、
この方の著作で、日本人が持っていた勤勉さ、日本型経営システムを生かし、自信と誇りを持ち、隣国にも貢献することで、アジアで大きな役割を果たせるということが示されていました。
今の日本は、労働においても残業フリー、派遣切りなどの規制緩和が目立ちますが、マハティール氏は、企業が社員を守り生産性を保ち、企業と国が一体となって協力する「日本型経営システム」の長所を何度も著作で挙げ、マレーシアは今もそれを見習っているとしています。
このことを知り、日本は、国も企業も一体となって、発展のために協力し、自国を立て直すことが急務だと思います。
日本人は、本当に特に2000年頃から、一部の勝ち組、エリートへのあこがれ、勤勉に務めなくても、才能で成功するものがよい、のような価値観が積極的に導入されたかと思います。
勤勉さ、堅実性、まじめさ、真心のようなものが「かっこ悪いもの」「成功の要因とは違うもの」にされてきたように思います。
特に今、米、中、欧が自国中心主義になる中、元々他のために献身的になれる特性を持っていた日本が活躍できる場は増えているのではないでしょうか。
平成は経済的には失われた30年とも言われますが、この間、労働や生産の場で、献身的に尽くすことが、戦後、力を発揮してきたという事実が忘れられ、日本はますます劣化してきているのではないでしょうか。
「勤勉さを否定する才能指向」「自分だけ儲けるのがよい勝ち組指向」に、日本人は乗せられて国民全体としての出力が低下したと思うのです。
前置きが長くなりましたが、
「立ち上がれ日本人」マハティール・モハマド著2003年12月
から、日本人が知るべきと思われた部分を紹介します。
どうか、日本の再生が必要な今、この言葉をかみしめてほしいと思います。
(括弧は、こちらで加えたものです。表現の一部を変えています。)
(日本人の勤勉さや献身性について)
戦後日本人の印象として労働者は支給される米と醤油だけで一生懸命に働き、近代的な産業を育てるため寝る間を惜しんで技術を磨いていた。
1961年、あちらこちらに爆弾による破壊の跡が残される中、人々が国の再建と経済を発展させるために献身的に尽くす光景は、今もまぶたに焼きついています。(中略)
倫理観、感謝や愛を忘れてはいけない。家族は大事で、家族が側にいれば、若者が無気力になったり暴力的になることもないのではないか。
日本で私がもっとも注目したのは、職業倫理観と職場での規律正しさによって、品質の高い製品を作り上げるという姿勢でした。
軍国主義はよくないことだが、愛国主義であることは悪いことではない。愛国主義は国が困難を乗り越える上で助けとなる。
(国民全体の生活を豊かにするという愛国心を持ち、献身的に尽くすことことの重要性が示されていると思いました。
愛国心と右傾化は違う、その混同が日本人の脱力につながっている)
(日本型経営の大切さについて)
政府と民間の連携はなんら悪いことだと思っていません。政府は積極的に民間に手を差し伸べるべきだ、というのが私の信念です。なぜなら、企業利益は税金という形で還元されるからです。民間を助けることは、政府自らを助けることになります。
規制を完全に撤廃すれば、地場の銀行や企業が倒産してしまうことは、火を見るより明らかです。
米国型の極端な経済改革を行おうとしている今の日本では、失業率も高く、国民が自信を失っているようです。最近の日本の若者は、もはやかつての日本人のように献身的ではなくなったと聞かされました。ひとたび豊かになると人生はたやすいと思ってしまう。そして努力することを忘れてしまうのです。
(教育について)
最新の学問知識を得るには、英語という言語を極めなければならないのが現実です。このためマレーシアでは、小学校1年生から数学と科学を英語で教える制度を導入しました。学習にはコンピューターを用います。音声で繰り返し使えるし、答えもすぐ出してくれる。
(日本人は、情報の開化、技術や発展のためにも、日本語だけに頼るのではなく、国民が英語を読み、海外の情報をとれるようにすべきだと思います。)
(平和共存のため、ASEAN+3をつくり、経済連携する大切さについて)
中国を封じ込める政策をとれば、中国が脅威に対する抑止力として軍備を拡大する懸念があります。
ASEANに中国と日本、韓国を加えた、私がかつて提案したASEAN+3(東アジア経済共同体EAEC)がつくられれば、やがて東アジアに平和をもたらすでしょう。域内諸国にとって一番大事なことは平和であり、これは世界にとっても同様です。これにより域内問題を協議する場をつくります。
日本が中国を脅威に感じれば感じるほど、中国は日米同盟に脅威を抱きます。中国が超大国になるのはもはや明白で、軍事力を用いずとも他国を経済的に支配することは可能です。私たちはこれをなんとか切り抜けていかなければなりません。
(中国脅威論は、力で勝てない相手に対処する方法として合理的ではない。)
その2に続きます。
今回、マハティールさんのアドバイスについて書きたいと思います。
日本人の特性やいくべき道筋について、国内の視点ではわかりにくいことも多いのですが、
戦前、戦後から日本を見てきた、現在93歳になり、マレーシアで現役の大統領をされているマハティール氏は、日本のシステムを学ぶ、ルックイースト政策で有名な方ですが、
この方の著作で、日本人が持っていた勤勉さ、日本型経営システムを生かし、自信と誇りを持ち、隣国にも貢献することで、アジアで大きな役割を果たせるということが示されていました。
今の日本は、労働においても残業フリー、派遣切りなどの規制緩和が目立ちますが、マハティール氏は、企業が社員を守り生産性を保ち、企業と国が一体となって協力する「日本型経営システム」の長所を何度も著作で挙げ、マレーシアは今もそれを見習っているとしています。
このことを知り、日本は、国も企業も一体となって、発展のために協力し、自国を立て直すことが急務だと思います。
日本人は、本当に特に2000年頃から、一部の勝ち組、エリートへのあこがれ、勤勉に務めなくても、才能で成功するものがよい、のような価値観が積極的に導入されたかと思います。
勤勉さ、堅実性、まじめさ、真心のようなものが「かっこ悪いもの」「成功の要因とは違うもの」にされてきたように思います。
特に今、米、中、欧が自国中心主義になる中、元々他のために献身的になれる特性を持っていた日本が活躍できる場は増えているのではないでしょうか。
平成は経済的には失われた30年とも言われますが、この間、労働や生産の場で、献身的に尽くすことが、戦後、力を発揮してきたという事実が忘れられ、日本はますます劣化してきているのではないでしょうか。
「勤勉さを否定する才能指向」「自分だけ儲けるのがよい勝ち組指向」に、日本人は乗せられて国民全体としての出力が低下したと思うのです。
前置きが長くなりましたが、
「立ち上がれ日本人」マハティール・モハマド著2003年12月
から、日本人が知るべきと思われた部分を紹介します。
どうか、日本の再生が必要な今、この言葉をかみしめてほしいと思います。
(括弧は、こちらで加えたものです。表現の一部を変えています。)
(日本人の勤勉さや献身性について)
戦後日本人の印象として労働者は支給される米と醤油だけで一生懸命に働き、近代的な産業を育てるため寝る間を惜しんで技術を磨いていた。
1961年、あちらこちらに爆弾による破壊の跡が残される中、人々が国の再建と経済を発展させるために献身的に尽くす光景は、今もまぶたに焼きついています。(中略)
倫理観、感謝や愛を忘れてはいけない。家族は大事で、家族が側にいれば、若者が無気力になったり暴力的になることもないのではないか。
日本で私がもっとも注目したのは、職業倫理観と職場での規律正しさによって、品質の高い製品を作り上げるという姿勢でした。
軍国主義はよくないことだが、愛国主義であることは悪いことではない。愛国主義は国が困難を乗り越える上で助けとなる。
(国民全体の生活を豊かにするという愛国心を持ち、献身的に尽くすことことの重要性が示されていると思いました。
愛国心と右傾化は違う、その混同が日本人の脱力につながっている)
(日本型経営の大切さについて)
政府と民間の連携はなんら悪いことだと思っていません。政府は積極的に民間に手を差し伸べるべきだ、というのが私の信念です。なぜなら、企業利益は税金という形で還元されるからです。民間を助けることは、政府自らを助けることになります。
規制を完全に撤廃すれば、地場の銀行や企業が倒産してしまうことは、火を見るより明らかです。
米国型の極端な経済改革を行おうとしている今の日本では、失業率も高く、国民が自信を失っているようです。最近の日本の若者は、もはやかつての日本人のように献身的ではなくなったと聞かされました。ひとたび豊かになると人生はたやすいと思ってしまう。そして努力することを忘れてしまうのです。
(教育について)
最新の学問知識を得るには、英語という言語を極めなければならないのが現実です。このためマレーシアでは、小学校1年生から数学と科学を英語で教える制度を導入しました。学習にはコンピューターを用います。音声で繰り返し使えるし、答えもすぐ出してくれる。
(日本人は、情報の開化、技術や発展のためにも、日本語だけに頼るのではなく、国民が英語を読み、海外の情報をとれるようにすべきだと思います。)
(平和共存のため、ASEAN+3をつくり、経済連携する大切さについて)
中国を封じ込める政策をとれば、中国が脅威に対する抑止力として軍備を拡大する懸念があります。
ASEANに中国と日本、韓国を加えた、私がかつて提案したASEAN+3(東アジア経済共同体EAEC)がつくられれば、やがて東アジアに平和をもたらすでしょう。域内諸国にとって一番大事なことは平和であり、これは世界にとっても同様です。これにより域内問題を協議する場をつくります。
日本が中国を脅威に感じれば感じるほど、中国は日米同盟に脅威を抱きます。中国が超大国になるのはもはや明白で、軍事力を用いずとも他国を経済的に支配することは可能です。私たちはこれをなんとか切り抜けていかなければなりません。
(中国脅威論は、力で勝てない相手に対処する方法として合理的ではない。)
その2に続きます。