日本がとるべき二国間外交について
- 2018/01/15
- 22:41
日本がとるべき、中国や多国間協調のための具体的施策案について、下記示しますので、日本政府関係者にも参考にして頂けたらと思います。
民生支援、技術協力、その国の発達のために、利他の精神で貢献していくことが、日本の役割・存在価値を発揮し、国益になると考えます。
(「外交力を鍛える」(須川清司著)2008.9 抜粋(P211~P268))
対中外交のやりかた
・中国を無視して日本の国益を達成することはできないし、対中封じ込めは不可能である。このため、(防衛力整備や日米同盟実効性確保などの)「対抗政策」でなく(相手を望む方向に誘導する)「関与政策」を基本とする。
・関与政策の目的は、相手の行動を自分の望む方向に誘導すること。ノーという意見も言っていいし、言った後は互いに折り合いをつけられるようにする。
上記実現のための具体例
・トップが会う表面的関与を卒業し、関係者による不断の、不断の地道な取組を進める。
・エンゲージメントの基本は、日中両政府がさまざまな課題について交渉し、文書であれ口頭であれ、何らかの形で合意に達することである。
・ビジネスから、アカデミアに至るまで多種多様なレベルでの接触窓口をつくる。
・中国を最もよく知る国になる。中国に関するシンクタンクを作り、中国、韓国、アメリカ、欧州などの優秀な研究者を集め、経済、政治、外交、軍事をもテーマとする。民間出資を募り、政府からの独自性を維持する。企業人や学者の情報を集積するシステムも作る。
・日本市場の開放もインパクトが大きい。製品だけでなく、人材の受け入れ、医療などの専門分野や学問の世界で日本がアジアのハブとなり、人材を集積する。
・社会保障問題に関する実務者協議立ち上げなど(中国は今後高齢化し社会保障に相当野予算を費やす。互いの安定のためにも、日本の事例を共有する価値がある)
・ASEAN+3(日中韓)による協力構築。
・日本なら、韓国、オーストラリア、インドネシア、ASEAN諸国との二国間関係を強化する。
・アジアの国々と日本が関係強化することは、日中の外交ゲームの中で、必ず日本に有利に働く。アジア外交を強化することで、影響力を強化する。
・2008年中国四川地震の際は、日本は消防や警察などからなる国際緊急援助隊を派遣した。これは中国でも報道され、日本のイメージアップにつながった。(高度な装備と高い練度、被害者目線の誠実な態度など)こういうソフトパワー関与はすすめるべき。
今後は自衛隊との災害訓練も平素から行い、連携を深めるべき。
その他 具体的方策
・「首相の靖国参拝」は避ける。(周恩来は戦後の日本は軍国主義でないとすることで、互いの妥協点を見出し、国交正常化したため)
・これまで、日中外交は、田中派が牛耳ってきたが、小渕総理の死後、小泉政権以降冷却化した。(二階俊博、福田康夫元総理、高村正彦、野中広務の系統が親中パイプを持つ)
・東シナ、尖閣問題などは、角栄、周恩来時の棚上げ維持、2008年合意(尖閣の共同開発をめざすと合意)の確認、復活。二国間交渉が最善。
・中国との防衛交流を進める。多少のリスクはあるが、それ以上に大きなメリットがある。(軍人というものは、共同訓練などで同じ釜の飯を食うと、独特の連帯感が生まれる)
(例えば、フィリピンのドゥテルテ大統領は、2016年10月習近平と南シナ海の領土問題を棚上げとし、訪問米軍地位協定の破棄通告を行い、それに中国側も譲歩し、中国監視船の威嚇が収まりました。
また、中国艦船を入港させ、合同演習などを行う一方、戦争に巻き込まれることを懸念する、とロレンザーナ国防相が発言(2019年3月)するなど、国民に戦争回避のメッセージを送っています。)
双方が相手の出方を読み誤って軍事衝突になるのを防ぐ可能性は間違いなく高まる。
・日中2+2(双方の外務、防衛担当大臣による四者協議)の創設。
・国連平和維持活動(PKO)、東アジアシーレーンの安定、災害救助活動(DRO)などの分野で日中両国が軍隊の利用も含めて協力する。「日中安全保障共同宣言」を出すなど。
(台湾の取り扱いが問題になる可能性もあるので、対テロ対策や海上交通の安全面などに絞ってもよい。)
・上記を進めるにあたって、日本がふらついていると思われたら、米国から間違いなく圧力がかかる。ただ、米国もサウジアラビアやパキスタンなど、価値観の違う国と同様な軍事協定は結んでいるので、同じことをしたいだけだといえる。
・日本だけでは中国に対峙できないので、日米同盟も利用する。そのアピールは最大限に行うなど、バランスを取る。
・第一次安倍内閣がやろうとして米国に潰された日米豪印の4カ国構想も、中国を牽制する方法として役割があるのでは。
・日本が、今後、中国に対し積極的に関与し、国際社会に適合させる役割を持ち、米国の国益にもかなう役割をもつ。
・米国にただ従うのでなく、独自性を持たないと国益を損ねていく。(米国にとってのメリットも意識し動く。)
・高価なF35B、空母、THAAD,イージスアショアなどミサイルなどの購入でなく、国際的に共同開発されている安価な機体、新型戦闘機購入、航空電子線能力に予算を回す。
・武器購入には米国の圧力もあるので、政治主導にする。情報や性能、価格をオープンにする。
日本も目の前に見えるものだけ、自分の地域、国だけの、視野の狭い外交を卒業し、もっと自分の国を守るにはどうすればいいか、目的を達するにはどうすればいいか。日本はもっと解決に積極的に関与できないのかなどを、国民が真剣に考えて行動する時期に入っていると本当に思います。
日本は、米軍撤退によるリスク変化に備え、今のうちから、韓国、オーストラリア、インドネシア、ASEAN諸国との二国間関係を強化していくことも、アジアの安定を守り、存在感を発揮するためにも大切なことです。
日本国の技術や民生のよいところを、世界に広げ、世界にとって価値ある国になり、将来的には、周辺国が日本を守るかたちを作っていくべきです。
特に水の浄化、排ガスの浄化、環境負荷を低減させる技術、そして元来中小企業が持っている工業力、技術力、管理システム、また、日本が得意とされるナノテク、バイオテクノロジー、AIなど、日本が得意な技術を普及して、環境負荷の少ない、収奪、争いの少ない社会のもとをつくってほしいと思います。
【補足】※1 「真説 国防論」苫米地英人2017年12月p235 より(自衛隊の海外派遣について)
集団的自衛権という建前で日本を巻き込もうとする意図は何でしょうか。
これはすなわち、アメリカの陰の支配者であるMIC(軍産複合体 Military-industrial complex)の意向といって差し支えありません。彼らは戦争がしたい。しかし、アメリカは一応民主主義の国ですから、兵士に死者が出てしまえば世論の反発は必至です。
そこで苦肉の策として、公式的には死者としてカウントされない民間軍事会社の戦闘要員を雇うのですが、傭兵のコストは1日40万円ほどと高額。一方自衛隊を派遣すればタダです。
つまり、自衛隊をアメリカの都合のいい傭兵に仕立て上げようというのが、本音なのです。
この記事は、A.Cによるものです
民生支援、技術協力、その国の発達のために、利他の精神で貢献していくことが、日本の役割・存在価値を発揮し、国益になると考えます。
(「外交力を鍛える」(須川清司著)2008.9 抜粋(P211~P268))
対中外交のやりかた
・中国を無視して日本の国益を達成することはできないし、対中封じ込めは不可能である。このため、(防衛力整備や日米同盟実効性確保などの)「対抗政策」でなく(相手を望む方向に誘導する)「関与政策」を基本とする。
・関与政策の目的は、相手の行動を自分の望む方向に誘導すること。ノーという意見も言っていいし、言った後は互いに折り合いをつけられるようにする。
上記実現のための具体例
・トップが会う表面的関与を卒業し、関係者による不断の、不断の地道な取組を進める。
・エンゲージメントの基本は、日中両政府がさまざまな課題について交渉し、文書であれ口頭であれ、何らかの形で合意に達することである。
・ビジネスから、アカデミアに至るまで多種多様なレベルでの接触窓口をつくる。
・中国を最もよく知る国になる。中国に関するシンクタンクを作り、中国、韓国、アメリカ、欧州などの優秀な研究者を集め、経済、政治、外交、軍事をもテーマとする。民間出資を募り、政府からの独自性を維持する。企業人や学者の情報を集積するシステムも作る。
・日本市場の開放もインパクトが大きい。製品だけでなく、人材の受け入れ、医療などの専門分野や学問の世界で日本がアジアのハブとなり、人材を集積する。
・社会保障問題に関する実務者協議立ち上げなど(中国は今後高齢化し社会保障に相当野予算を費やす。互いの安定のためにも、日本の事例を共有する価値がある)
・ASEAN+3(日中韓)による協力構築。
・日本なら、韓国、オーストラリア、インドネシア、ASEAN諸国との二国間関係を強化する。
・アジアの国々と日本が関係強化することは、日中の外交ゲームの中で、必ず日本に有利に働く。アジア外交を強化することで、影響力を強化する。
・2008年中国四川地震の際は、日本は消防や警察などからなる国際緊急援助隊を派遣した。これは中国でも報道され、日本のイメージアップにつながった。(高度な装備と高い練度、被害者目線の誠実な態度など)こういうソフトパワー関与はすすめるべき。
今後は自衛隊との災害訓練も平素から行い、連携を深めるべき。
その他 具体的方策
・「首相の靖国参拝」は避ける。(周恩来は戦後の日本は軍国主義でないとすることで、互いの妥協点を見出し、国交正常化したため)
・これまで、日中外交は、田中派が牛耳ってきたが、小渕総理の死後、小泉政権以降冷却化した。(二階俊博、福田康夫元総理、高村正彦、野中広務の系統が親中パイプを持つ)
・東シナ、尖閣問題などは、角栄、周恩来時の棚上げ維持、2008年合意(尖閣の共同開発をめざすと合意)の確認、復活。二国間交渉が最善。
・中国との防衛交流を進める。多少のリスクはあるが、それ以上に大きなメリットがある。(軍人というものは、共同訓練などで同じ釜の飯を食うと、独特の連帯感が生まれる)
(例えば、フィリピンのドゥテルテ大統領は、2016年10月習近平と南シナ海の領土問題を棚上げとし、訪問米軍地位協定の破棄通告を行い、それに中国側も譲歩し、中国監視船の威嚇が収まりました。
また、中国艦船を入港させ、合同演習などを行う一方、戦争に巻き込まれることを懸念する、とロレンザーナ国防相が発言(2019年3月)するなど、国民に戦争回避のメッセージを送っています。)
双方が相手の出方を読み誤って軍事衝突になるのを防ぐ可能性は間違いなく高まる。
・日中2+2(双方の外務、防衛担当大臣による四者協議)の創設。
・国連平和維持活動(PKO)、東アジアシーレーンの安定、災害救助活動(DRO)などの分野で日中両国が軍隊の利用も含めて協力する。「日中安全保障共同宣言」を出すなど。
(台湾の取り扱いが問題になる可能性もあるので、対テロ対策や海上交通の安全面などに絞ってもよい。)
・上記を進めるにあたって、日本がふらついていると思われたら、米国から間違いなく圧力がかかる。ただ、米国もサウジアラビアやパキスタンなど、価値観の違う国と同様な軍事協定は結んでいるので、同じことをしたいだけだといえる。
・日本だけでは中国に対峙できないので、日米同盟も利用する。そのアピールは最大限に行うなど、バランスを取る。
・第一次安倍内閣がやろうとして米国に潰された日米豪印の4カ国構想も、中国を牽制する方法として役割があるのでは。
・日本が、今後、中国に対し積極的に関与し、国際社会に適合させる役割を持ち、米国の国益にもかなう役割をもつ。
・米国にただ従うのでなく、独自性を持たないと国益を損ねていく。(米国にとってのメリットも意識し動く。)
・高価なF35B、空母、THAAD,イージスアショアなどミサイルなどの購入でなく、国際的に共同開発されている安価な機体、新型戦闘機購入、航空電子線能力に予算を回す。
・武器購入には米国の圧力もあるので、政治主導にする。情報や性能、価格をオープンにする。
日本も目の前に見えるものだけ、自分の地域、国だけの、視野の狭い外交を卒業し、もっと自分の国を守るにはどうすればいいか、目的を達するにはどうすればいいか。日本はもっと解決に積極的に関与できないのかなどを、国民が真剣に考えて行動する時期に入っていると本当に思います。
日本は、米軍撤退によるリスク変化に備え、今のうちから、韓国、オーストラリア、インドネシア、ASEAN諸国との二国間関係を強化していくことも、アジアの安定を守り、存在感を発揮するためにも大切なことです。
日本国の技術や民生のよいところを、世界に広げ、世界にとって価値ある国になり、将来的には、周辺国が日本を守るかたちを作っていくべきです。
特に水の浄化、排ガスの浄化、環境負荷を低減させる技術、そして元来中小企業が持っている工業力、技術力、管理システム、また、日本が得意とされるナノテク、バイオテクノロジー、AIなど、日本が得意な技術を普及して、環境負荷の少ない、収奪、争いの少ない社会のもとをつくってほしいと思います。
【補足】※1 「真説 国防論」苫米地英人2017年12月p235 より(自衛隊の海外派遣について)
集団的自衛権という建前で日本を巻き込もうとする意図は何でしょうか。
これはすなわち、アメリカの陰の支配者であるMIC(軍産複合体 Military-industrial complex)の意向といって差し支えありません。彼らは戦争がしたい。しかし、アメリカは一応民主主義の国ですから、兵士に死者が出てしまえば世論の反発は必至です。
そこで苦肉の策として、公式的には死者としてカウントされない民間軍事会社の戦闘要員を雇うのですが、傭兵のコストは1日40万円ほどと高額。一方自衛隊を派遣すればタダです。
つまり、自衛隊をアメリカの都合のいい傭兵に仕立て上げようというのが、本音なのです。
この記事は、A.Cによるものです