世界に広がりつつある「排外主義」について
- 2016/11/29
- 07:45
トランプ氏の米統領選勝利は、下記の記事のように、中間層貧困層(特に白人)の貧困や環境による不満を、他民族や社会環境にぶつける、既存勢力を批判することでもたらされたものと言えると考えます。
これは、例えば戦前にナチスドイツのヒトラーが、貧困にあえぐドイツ民族に今の社会勢力の打破、他民族排除を訴え、第一党となった状況と似ていると考えます。
この、1,2年で、フランス、デンマーク、ポーランド、スイス、ベルギー、フィンランド、ノルウェー、スウェーデン、オーストリア、ドイツ、オーストラリアなど各国で極右政党がの支持が高まっています。
(IS(イスラム国)が資金援助により育成され、シリア等で紛争が起き難民が増えたことにより、他民族へ対する不満が高まっているのもこの大きな要因です。)
ほんとうに、最近、第二次世界大戦前のように、ブロック経済化、排外主義化しつつある状況があります。
そういう状況から、情勢不安を招き、戦前のように経済的、政治的な混乱から衝突が始まることも多いため、注意が必要です。戦前の歴史に学び、このような動きに走らないこと、沈静化することを願います。
11/15民主主義がトランプ選んだ/政策より「痛快さ」爆発/差別発言連発 米国の理想否定しても【東京新聞・こちら特報部】東京新聞 2016年11月15日より抜粋
差別発言連発 米国の理想否定しても
(安藤恭子、佐藤大)
「黒人、女性、性的少数者の解放と進んできた米国社会だが、中西部や南西部の人びとには進み方が速すぎた。そんな『うっ屈』した階層は、格差社会の非民主的経済で一段と不満を募らせた。彼らはその不満を政治的な民主主裁のシステムによって爆発させた」
「非民主的な経済から発した怒りが、トランプという非民主的な経済の体現者を求めてしまった。さらに怒りは差別と偏狭さに転じている。これは皮肉というよりも、悲劇だ」
選挙戦でトランプ氏が表明した政策には、効果が疑問なものもある。例えば、関税の引き上げだ。輸入品が値上がりすれば、低所得者ほど影響を受けやすく、部品などの調達コストの増加から、雇用状態が悪化する事態も考えられる。
政策より感情。高崎経済大の國分功一郎准教授(哲学)は「比較的リベラルな層も含め、トランプ氏に『変化』を求めた結果だ。格差を背景に政治家やメディアなど既得権層に対する憤りと『ざまあみろ』という痛快さがある」と語る。
トランプ氏は勝利宣言で「今は分断を修復して団結する時だ」と融和を呼び掛けるなど、過激な発言を封印しているが、差別的、排外主義的な言動への共感は国内外に広がっている。
選挙期間中には、憎悪犯罪(へイトクライム)も相次いだ。米誌「ネーション」によると、ボストンに住む兄弟がホームレスの男性の顔に尿をかげ、金属棒で殴る事件が発生。警察の調べに対し「トランプは正しかった」「全ての不法移民は国外追放されるべきだ」と供述したという。
来春に大統領選があるフランスでも「反移民」を掲げる極右政党、国民戦線(FN)のルペン党首がすぐさまトランプ氏に祝福を表明した。
仏国民戦線のみならず、デンマークやスウェーデンなどの機会でも移民排斥を訴える極右政党が台頭。ドイツでも極右政党が伸びており、来秋の総選挙で難民を受け入れたメルケル首相の苦戦が予想される。
日本も無関係ではない。沖縄県の米軍北部訓練場のエ事反対派に大阪府警の機動隊員が「土人」と発言した問題で、鶴保庸介沖縄北方担当相は八日の参院内閣委員会で「差別だと断じることは到底できない」と発言。金田勝年法相は差別用語に当たるとの認識を示しており、閣内の不一致は明白だが、安倍政権は高い支持率を維持している。
「国民の支持という『下からのノリ』で、人権の尊重や反差別といった大切な価値観が失われていく。米国と日本の状況はよく似ている」(國分准教授)
上智大の中野晃一教授(政治学)は「グローバル経済の中で、貧困や格差の広がりを不安に思う人々の感情は、排外主義やへイトクライムと結び付きやすい。社会が分断された結果、秩序を壊すとあおる独裁者が求心力を増すという事態はどこの国でも起こり得る」として、こう警告する。
「誰が当選しようと、人権や自由といった人類が築いてきた規範を侵すことは認められない。日本も対岸の火事ではない。自分にもいつか差別の刃が向けられることを想像しなくては」
(デスクメモ)
すでにメディアの関心は、次期トランプ政権の政策や対日関係に移っている。だが、それはさまつなことに思える。倫理より、うっつぷんばらし。そんな米国民の劣情の奔流こそ、凝視されるべきだ。建前レベルですら、善を優先しない政治。米大統領選が映した闇の深さに立ちすくむ。(牧)
上記はミロク会・政治経済記事を担当しているA.C記載の記事です。
これは、例えば戦前にナチスドイツのヒトラーが、貧困にあえぐドイツ民族に今の社会勢力の打破、他民族排除を訴え、第一党となった状況と似ていると考えます。
この、1,2年で、フランス、デンマーク、ポーランド、スイス、ベルギー、フィンランド、ノルウェー、スウェーデン、オーストリア、ドイツ、オーストラリアなど各国で極右政党がの支持が高まっています。
(IS(イスラム国)が資金援助により育成され、シリア等で紛争が起き難民が増えたことにより、他民族へ対する不満が高まっているのもこの大きな要因です。)
ほんとうに、最近、第二次世界大戦前のように、ブロック経済化、排外主義化しつつある状況があります。
そういう状況から、情勢不安を招き、戦前のように経済的、政治的な混乱から衝突が始まることも多いため、注意が必要です。戦前の歴史に学び、このような動きに走らないこと、沈静化することを願います。
11/15民主主義がトランプ選んだ/政策より「痛快さ」爆発/差別発言連発 米国の理想否定しても【東京新聞・こちら特報部】東京新聞 2016年11月15日より抜粋
差別発言連発 米国の理想否定しても
(安藤恭子、佐藤大)
「黒人、女性、性的少数者の解放と進んできた米国社会だが、中西部や南西部の人びとには進み方が速すぎた。そんな『うっ屈』した階層は、格差社会の非民主的経済で一段と不満を募らせた。彼らはその不満を政治的な民主主裁のシステムによって爆発させた」
「非民主的な経済から発した怒りが、トランプという非民主的な経済の体現者を求めてしまった。さらに怒りは差別と偏狭さに転じている。これは皮肉というよりも、悲劇だ」
選挙戦でトランプ氏が表明した政策には、効果が疑問なものもある。例えば、関税の引き上げだ。輸入品が値上がりすれば、低所得者ほど影響を受けやすく、部品などの調達コストの増加から、雇用状態が悪化する事態も考えられる。
政策より感情。高崎経済大の國分功一郎准教授(哲学)は「比較的リベラルな層も含め、トランプ氏に『変化』を求めた結果だ。格差を背景に政治家やメディアなど既得権層に対する憤りと『ざまあみろ』という痛快さがある」と語る。
トランプ氏は勝利宣言で「今は分断を修復して団結する時だ」と融和を呼び掛けるなど、過激な発言を封印しているが、差別的、排外主義的な言動への共感は国内外に広がっている。
選挙期間中には、憎悪犯罪(へイトクライム)も相次いだ。米誌「ネーション」によると、ボストンに住む兄弟がホームレスの男性の顔に尿をかげ、金属棒で殴る事件が発生。警察の調べに対し「トランプは正しかった」「全ての不法移民は国外追放されるべきだ」と供述したという。
来春に大統領選があるフランスでも「反移民」を掲げる極右政党、国民戦線(FN)のルペン党首がすぐさまトランプ氏に祝福を表明した。
仏国民戦線のみならず、デンマークやスウェーデンなどの機会でも移民排斥を訴える極右政党が台頭。ドイツでも極右政党が伸びており、来秋の総選挙で難民を受け入れたメルケル首相の苦戦が予想される。
日本も無関係ではない。沖縄県の米軍北部訓練場のエ事反対派に大阪府警の機動隊員が「土人」と発言した問題で、鶴保庸介沖縄北方担当相は八日の参院内閣委員会で「差別だと断じることは到底できない」と発言。金田勝年法相は差別用語に当たるとの認識を示しており、閣内の不一致は明白だが、安倍政権は高い支持率を維持している。
「国民の支持という『下からのノリ』で、人権の尊重や反差別といった大切な価値観が失われていく。米国と日本の状況はよく似ている」(國分准教授)
上智大の中野晃一教授(政治学)は「グローバル経済の中で、貧困や格差の広がりを不安に思う人々の感情は、排外主義やへイトクライムと結び付きやすい。社会が分断された結果、秩序を壊すとあおる独裁者が求心力を増すという事態はどこの国でも起こり得る」として、こう警告する。
「誰が当選しようと、人権や自由といった人類が築いてきた規範を侵すことは認められない。日本も対岸の火事ではない。自分にもいつか差別の刃が向けられることを想像しなくては」
(デスクメモ)
すでにメディアの関心は、次期トランプ政権の政策や対日関係に移っている。だが、それはさまつなことに思える。倫理より、うっつぷんばらし。そんな米国民の劣情の奔流こそ、凝視されるべきだ。建前レベルですら、善を優先しない政治。米大統領選が映した闇の深さに立ちすくむ。(牧)
上記はミロク会・政治経済記事を担当しているA.C記載の記事です。