日本の省庁を改変し、その対応能力を高める必要性について(2)
- 2020/05/07
- 16:22
2つ前の記事で示したように、日本政府機関が海外の戦略に対処できない、政策立案、技術革新ができない、国の浮揚のために予算措置できない状況は、日本の地位を復元不可能にまで落としかねない状況にあります。(この危機に、日本の為政者たちが気づくかがまず大事です)官僚機構は、平成以降、様々な改革が試みられましたが、これまで温存されてきました。そうして今の日本の行政機構は、コロナ一つとっても、東アジア、東南アジ...
2つ前の記事で示したように、日本政府機関が海外の戦略に対処できない、政策立案、技術革新ができない、国の浮揚のために予算措置できない状況は、日本の地位を復元不可能にまで落としかねない状況にあります。
(この危機に、日本の為政者たちが気づくかがまず大事です)
官僚機構は、平成以降、様々な改革が試みられましたが、これまで温存されてきました。
そうして今の日本の行政機構は、コロナ一つとっても、東アジア、東南アジアの国が迅速に対応している中、日本は外圧や業界もあり、判断ができなくなっているような状況があります。
これまで霞が関の仕事は、欧米の先進的な法制度を翻訳するような仕事が多かったのですが、現在、技術流出や企業買収など、技術戦、国際競争が激化し、TPP含め海外企業や中国などの戦略にほとんど対応できなくなっています。
これまでの翻訳と違い、「政策の分析・検討の仕事」が高度化する中、政府内に、志があり現状に対応できる頭脳集団が必要です。民間企業、海外からも、志ある優秀な人材の登用し、政策決定や実施に活かすことが必要です。
これまで、橋本、小泉、安倍、福田、麻生政権、民主党の鳩山政権が、保革問わず脱官僚の取組をしてきましたが、省庁のごまかし作戦や時間経過作戦が勝り、かなり温存されています。
実は、第一次安倍内閣は公務員制度改革に本格的に取り組み、天下りの根絶のため、「官民人材交流センター」あっせんへの一元化の法案を成立させました。(その後は十分機能していませんが)
その後、福田内閣では、「国家公務員制度改革基本法」、麻生内閣では「内閣人事局」法案提出、
そして鳩山内閣では、「事務次官会議の廃止」「国家戦略局」「行政刷新会議」「国家戦略担当大臣」の設置などを行っていました。
第一次安倍内閣は、実は、天下り根絶を中心に、公務員制度改革に尽力しており、その後変節した可能性もありますが、本来はそういう意識を持っていたと思います。
行政改革の失敗に学び、どのように変えたらいいのかについて。
自民党、民主党が道半ばの「脱官僚」の失敗をもとに、今後の内閣へのメッセージとして、下記5カ条が示されており、中央省庁はもとより、地方行政の改革にも使える重要なノウハウだと思いますので、示します。
官僚のレトリック 原英史著(p208~222)より
「脱官僚」を実現するための5カ条
1.官僚を使いこなす前に、官僚を選べ
真っ先にやることは、使える幹部を選別し、一緒に国の再生に取り組める人物を抜擢・登用することである。「幹部人材の見極め」と「抜本的な再配置」を最初に行うべきである。
人材を選ぶことは意味があり、自分たちが信頼できるチームを省内に作ることができる。
また、一度人事に手をつければ、幹部を掌握する上で強い効果がある。大臣の政務三役さえしっかりしていれば、官僚たちと正しい信頼関係をつくることができるはずだ。
(現状維持に砕身している人に指示をしても、なかなか動かないどころか、怪文書やリークまでされたりします。その中で、人事権をにぎり、三役で明確に指示するのは、彼らを動かす上で重要です。)
鳩山総理は、かつて、「(各省庁の)局長クラス以上には辞表を提出してもらいたい」と発言していた。政権を取って1~2か月のうちにこれを実行すべきだった。(抵抗はあるにせよ、スピード感をもてば、組織的抵抗は避けやすいと思います。先手必勝のようです。)
政権を取ったら、早急に「幹部人材の見極め」と「抜本的な再配置」を行い、政治主導できる体制を整えるべきである。
2.現在、週2回、30分の「閣議」を、2~3時間以上、できれば半日程度行い、閣僚が認識を共有して、真剣に議論し物事を決める場にする。大臣の時間がないなら夕食を兼ねたり、土日開催ででも行ったほうがよい。集団合宿も勧める。
また、政務三役の大部屋を内閣府本府などにつくり、大部屋にいつもいて、空き時間に互いが情報交換できるようにすべき。
(これは当時相当警戒されたようです。閣僚、三役が相談・連携することはとても大切だと思います。)
民主党の事業仕分けでも、財務省の「行政刷新会議」に丸投げするのでなく、閣僚たちが、どういうムダをなくすのか大方針を決定し、そのサポート機関として仕分けチームを位置づけるべきだった。
(大方針を示し、何から手を付けるのかをしっかりと政治家が指示するということ。)
また、各省との軋轢が起こる可能性があるので、閣僚と国家戦略局や行政刷新会議の役人が、内閣の一員という意識を持つことが必要。
そうすれば、官邸が”司令塔”となり閣僚たちを(省庁の反発に対し)援護射撃する新しい政治主導体制を確立できるだろう。
3.「人事院」と「身分保障」を廃止し、「官僚は特別」論を駆逐する。
公務員に協約締結権と争議権の両方を付与し、そのかわり、「人事院」を廃止する。
身分保障も、幹部から廃止していくべき。
(私は、人事院廃止には反対で、単なる組織内のコストや効率の評価でなく、その人の仕事が国民のために役立っているかの評価や、介護職員や保育士の公務員化んど、むしろ住民に質・量の提供が必要なサービス拡充も検討すべきだと思います。)
4.過去の失敗から改革の戦術論を知るべき
改革の「全体像」を描きつつ、「急所」から改革する。
官僚がいう他の制度も議論して行うという「先送り論」、逆に一部の個別論で終わる「トカゲの尻尾切り」に注意する。
「全体像」としては、現状に対応できる民間含め優秀な人材の確保・育成や規制改革含め、設計図を描くこと、「急所」は「幹部の人事制度改革」や「労働基本権の拡大」など。
強い抵抗が予想される改革には、ネット中継などプロセスを公開すること。かつて、官民人材交流センター懇談会や基本法制定プロセスで、国民の前に議論をさらして改革を進めた。
5.脱官僚に足る政治家を揃えよ。
脱官僚に足る政治家を揃えることが長期的な脱官僚を実現するために必要。政治家の中長期的な観点での人材の確保・育成が重要である。
例えばイギリスでは、議会折衝と政策を担う政治家を分けて人材育成している。
また、政民の人物流動化もすすめるべき。
これまでの失敗を踏まえた、行政改革で注意すべき事項は上記ですが、何より、政治家や官僚たちが日本をよくしたいという志を持つことが最も必要だと思います。
この記事は、政治経済記事を担当している知念敦によるものです。
(この危機に、日本の為政者たちが気づくかがまず大事です)
官僚機構は、平成以降、様々な改革が試みられましたが、これまで温存されてきました。
そうして今の日本の行政機構は、コロナ一つとっても、東アジア、東南アジアの国が迅速に対応している中、日本は外圧や業界もあり、判断ができなくなっているような状況があります。
これまで霞が関の仕事は、欧米の先進的な法制度を翻訳するような仕事が多かったのですが、現在、技術流出や企業買収など、技術戦、国際競争が激化し、TPP含め海外企業や中国などの戦略にほとんど対応できなくなっています。
これまでの翻訳と違い、「政策の分析・検討の仕事」が高度化する中、政府内に、志があり現状に対応できる頭脳集団が必要です。民間企業、海外からも、志ある優秀な人材の登用し、政策決定や実施に活かすことが必要です。
これまで、橋本、小泉、安倍、福田、麻生政権、民主党の鳩山政権が、保革問わず脱官僚の取組をしてきましたが、省庁のごまかし作戦や時間経過作戦が勝り、かなり温存されています。
実は、第一次安倍内閣は公務員制度改革に本格的に取り組み、天下りの根絶のため、「官民人材交流センター」あっせんへの一元化の法案を成立させました。(その後は十分機能していませんが)
その後、福田内閣では、「国家公務員制度改革基本法」、麻生内閣では「内閣人事局」法案提出、
そして鳩山内閣では、「事務次官会議の廃止」「国家戦略局」「行政刷新会議」「国家戦略担当大臣」の設置などを行っていました。
第一次安倍内閣は、実は、天下り根絶を中心に、公務員制度改革に尽力しており、その後変節した可能性もありますが、本来はそういう意識を持っていたと思います。
行政改革の失敗に学び、どのように変えたらいいのかについて。
自民党、民主党が道半ばの「脱官僚」の失敗をもとに、今後の内閣へのメッセージとして、下記5カ条が示されており、中央省庁はもとより、地方行政の改革にも使える重要なノウハウだと思いますので、示します。
官僚のレトリック 原英史著(p208~222)より
「脱官僚」を実現するための5カ条
1.官僚を使いこなす前に、官僚を選べ
真っ先にやることは、使える幹部を選別し、一緒に国の再生に取り組める人物を抜擢・登用することである。「幹部人材の見極め」と「抜本的な再配置」を最初に行うべきである。
人材を選ぶことは意味があり、自分たちが信頼できるチームを省内に作ることができる。
また、一度人事に手をつければ、幹部を掌握する上で強い効果がある。大臣の政務三役さえしっかりしていれば、官僚たちと正しい信頼関係をつくることができるはずだ。
(現状維持に砕身している人に指示をしても、なかなか動かないどころか、怪文書やリークまでされたりします。その中で、人事権をにぎり、三役で明確に指示するのは、彼らを動かす上で重要です。)
鳩山総理は、かつて、「(各省庁の)局長クラス以上には辞表を提出してもらいたい」と発言していた。政権を取って1~2か月のうちにこれを実行すべきだった。(抵抗はあるにせよ、スピード感をもてば、組織的抵抗は避けやすいと思います。先手必勝のようです。)
政権を取ったら、早急に「幹部人材の見極め」と「抜本的な再配置」を行い、政治主導できる体制を整えるべきである。
2.現在、週2回、30分の「閣議」を、2~3時間以上、できれば半日程度行い、閣僚が認識を共有して、真剣に議論し物事を決める場にする。大臣の時間がないなら夕食を兼ねたり、土日開催ででも行ったほうがよい。集団合宿も勧める。
また、政務三役の大部屋を内閣府本府などにつくり、大部屋にいつもいて、空き時間に互いが情報交換できるようにすべき。
(これは当時相当警戒されたようです。閣僚、三役が相談・連携することはとても大切だと思います。)
民主党の事業仕分けでも、財務省の「行政刷新会議」に丸投げするのでなく、閣僚たちが、どういうムダをなくすのか大方針を決定し、そのサポート機関として仕分けチームを位置づけるべきだった。
(大方針を示し、何から手を付けるのかをしっかりと政治家が指示するということ。)
また、各省との軋轢が起こる可能性があるので、閣僚と国家戦略局や行政刷新会議の役人が、内閣の一員という意識を持つことが必要。
そうすれば、官邸が”司令塔”となり閣僚たちを(省庁の反発に対し)援護射撃する新しい政治主導体制を確立できるだろう。
3.「人事院」と「身分保障」を廃止し、「官僚は特別」論を駆逐する。
公務員に協約締結権と争議権の両方を付与し、そのかわり、「人事院」を廃止する。
身分保障も、幹部から廃止していくべき。
(私は、人事院廃止には反対で、単なる組織内のコストや効率の評価でなく、その人の仕事が国民のために役立っているかの評価や、介護職員や保育士の公務員化んど、むしろ住民に質・量の提供が必要なサービス拡充も検討すべきだと思います。)
4.過去の失敗から改革の戦術論を知るべき
改革の「全体像」を描きつつ、「急所」から改革する。
官僚がいう他の制度も議論して行うという「先送り論」、逆に一部の個別論で終わる「トカゲの尻尾切り」に注意する。
「全体像」としては、現状に対応できる民間含め優秀な人材の確保・育成や規制改革含め、設計図を描くこと、「急所」は「幹部の人事制度改革」や「労働基本権の拡大」など。
強い抵抗が予想される改革には、ネット中継などプロセスを公開すること。かつて、官民人材交流センター懇談会や基本法制定プロセスで、国民の前に議論をさらして改革を進めた。
5.脱官僚に足る政治家を揃えよ。
脱官僚に足る政治家を揃えることが長期的な脱官僚を実現するために必要。政治家の中長期的な観点での人材の確保・育成が重要である。
例えばイギリスでは、議会折衝と政策を担う政治家を分けて人材育成している。
また、政民の人物流動化もすすめるべき。
これまでの失敗を踏まえた、行政改革で注意すべき事項は上記ですが、何より、政治家や官僚たちが日本をよくしたいという志を持つことが最も必要だと思います。
この記事は、政治経済記事を担当している知念敦によるものです。
日本の省庁を改変し、その対処能力を高める必要性について(1)
- 2020/05/07
- 15:26
省庁の改革について、昭和・平成、自民党、民主党政権などで日本の政治家、国家的宿願のように進められてきましたが、第二次安倍内閣以降は、その時の会議や仕組みが早々に廃止され、省庁改革の動きは止まり、ほどんど報道されなくなっています。しかし、昨今の行政機関の対処能力は、これまでの政策立案やマインドでは、対処が難しく、政府に新しい情報や変化に対応して、政策を立案し、国を前向きに導く仕組みが必要となっていま...
省庁の改革について、昭和・平成、自民党、民主党政権などで日本の政治家、国家的宿願のように進められてきましたが、第二次安倍内閣以降は、その時の会議や仕組みが早々に廃止され、省庁改革の動きは止まり、ほどんど報道されなくなっています。
しかし、昨今の行政機関の対処能力は、これまでの政策立案やマインドでは、対処が難しく、政府に新しい情報や変化に対応して、政策を立案し、国を前向きに導く仕組みが必要となっています。
また、国民が選んだ政治家の指示にそって政策を実施すること、肥大化した予算のあり方、配分、人員を本当に変えないと日本が立ち直れなくなる時期にきています。
これができないと、本当に日本は、中国、韓国のみならず(すでに政治的対処能力は日本を数段上回っています。)、タイ・インドネシア・シンガポール・マレーシア・台湾などに抜き去られ、元の経済大国には戻れなくなってしまいます。
(これは啓示でも言われていました。)
日本が立ち行かなくなっているのは、政権の指示のもとに政策を立案し、動くべき官僚機構が、情勢が判断できず、また利権のフィルターがかかりすぎ、必要な対策をとれなくなっていることに大きな原因があると思います。
(官僚は、一般的に、時代の変化に対応することや将来予測などは苦手で、責任を非常に回避する性質があるといわれます。
予測や方針の指示は閣僚や専門家による上位機関で行い、官僚がその指示で動くようにシステムを変えるべきです。)
そこで、行政の対処能力獲得、現状や民意に応じた政治主導のために、例えば民主党などが掲げていた行政改革の方法については、検討に値する重要なものが見られますので、この際示したいと思います。
先進国型の民間主導、政治任用ポストやブレーンを増やし、官僚を有為に動かしていく必要があります。
大きく、行政機構改革は、大きく下記の3つの取組が必要だと思います。
1.民間含めた人材・専門家を取り入れ、「政策に反映させる」仕組みを作る。
2.官僚を人事、会議を見える化してグリップし、「官僚が指示通りに動く」ようにする。
3.「国の予算、人員配置を必要な方向に組み替える(日本の資金流出の見直し含む)」
そして、
4.「日本の国民と政治家が、本当の状況を知り、問題解決のために協力する意思を持つ」ことが、永続的に必要だと思います。
雰囲気に乗せられず、何が問題なのかをとらえ、当事者として動くことがまわりに流されやすい日本人には必要だと思います。
このまま責任者不在で、日本が国として沈没することは、なんとしても避けたいです。
霞が関改革は、大きな時間をかけず、迅速に行うことが大切です。
そのスピードは死活的に重要です。
「民主党が約束する 99の政策で日本はどう変わるか!」2009年7月神保哲生著
から紹介します。
1.企業献金は原則廃止、個人献金には「税額」を控除する。
個人が政治家に寄付した場合、「その金額分だけ税金を減額」する。
そうすれば、国に税金として納めるか、サポートする政治家に政治献金として納めるかを選べる。
(財務省の抵抗も予想されますが、有権者にとっては、支持する方に納め方を選べます。支持する政策に投資できます。
そして、国には、世代間負担などへの理解、公共意識の発達を促進する取り組みも必要になると思います。)
2.イギリスのように、政治任用ポスト(副大臣、政務次官、官房副長官)を増員し、100人規模の国会議員を送る。(アメリカでは政治任用が1,000人いるそうです。)
日本の重要な官職はほとんど公務員試験の合格者で占められるため、政治任用ポストをさらに増やし、さらに党の政策調査会(党の政策立案機関)が内閣に引っ越し、政策立案を内閣で行う。官邸主導の予算編成や政策立案を根本から変えていく。また、与党議員と官僚の接触を原則禁止にする。
(官僚は相当抵抗すると思いますが、マスコミも一緒に堂々と行うことが大事だと思います。)
(官職の政治任用ポストの中身について)
政務スタッフを民間中心にして、局長クラスまで政権側で決めるとしています。
「政務スタッフを民間中心」にするのは政策立案力をつけるうえで、とても大事なことだと思います。
1、首相の周りの国家戦略スタッフ、大臣の周りの政務スタッフを政治任用にし、官僚もありうるが、基本的に民間中心でつける。
2、局長クラスも、ある程度政権側で決める。(鳩山総理は、政権発足当初、局長以上に辞表を提出いただきたいと述べていました。)
3、課長クラスは、政権と無関係にこれまで通り公務員がつく。
4.官僚の天下りを根絶する。
外郭団体や特殊法人には、ほとんどノーチェックで国家予算がつぎ込まれている。
衆議院調査局によると07年4月時点で4,696法人に、26,632人の国家公務員が天下りしており、補助金、契約金が12兆円以上がつぎ込まれている。
そして、天下り先へ発注された工事は、98%が随契となっている。
天下りとはhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E4%B8%8B%E3%82%8A
これが、官製談合や随意契約などの無駄遣いの原因となるため、「天下りを全面的に禁止」し、天下りの背景にある(官僚同期の多くが退職する)早期退職勧奨制度を廃止する。中央官庁でも定年を段階的に65歳まで引き上げ、退職まで勤務できる制度をつくる。
また、アメリカの会計検査院(GAO)にあたる、「行政監視・評価院」と、事業を仕分けを行う「行政刷新会議」をつくる。
「事業仕分け」と、「行政刷新会議」は、立ち消えになりましたが、官僚のプライドも踏まえながら、政治家が方針を示し、省庁に細かい作業をしてもらうなど、反省点含めて再評価すべきです。
なお「行政刷新会議」と「国家戦略会議」はともに、第2次安倍内閣が発足した2012年12月26日深夜の初閣議により廃止されています。この会議が重要な意味を持っていたかがわかります。
予算の組み替えにかかる政策について
予算を必要なところにどう組み替えていくかについて示します。
国会で予算審議がされる一般会計が102兆円(R2年度)なのに、審議されない特別会計(約196兆円)の方が額が大きい。しかも中身がわかりにくい。この特別会計を原則廃止する。
必要なところへの予算組み替えについて、民主党2008年10月の衆院選マニフェストでは、下記により20.5兆円を捻出するとしていました。
無駄の見直しで9.1兆円
(内訳 地方への補助金音原則廃止と一括交付、独立行政法人や特別会計の原則廃止で4.3兆円、入札改革・天下りの根絶で1.8兆円、国の直轄事業の半減で1.3兆円、国家公務員総人件費の削減で1.1兆円、国会議員1割削減と予算の厳格査定で0.6兆円)
歳入の見直しで8.2兆円
(租税特別措置の見直しで4.2兆円、財政投融資特別会計、外国為替資金特別会計の運用益から4.0兆円)
霞が関埋蔵金の売却で3.2兆円 (財政投融資、外国為替資金など)
(しかし、埋蔵金は、一度使ってしまえばそれきりであり、安倍政権後、歳出に足りない税外収入を埋蔵金の活用や、借金返済の先送りなどでむりくり集めており、税金でまかなうというルールを大きく逸脱してきています。
安倍政権は、次の内閣や次世代のことをほとんど考えていないように思われます。
その意味で、予算の精査をするにしても、政権が利権と一般国民のどこを向いているのかが最も重要です。)
【図解・行政】2020年度予算案・税外収入の推移(2019年12月)
https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_pol_yosanzaisei20191220j-03-w380
この記事は、政治経済記事を担当しているA.Cによるものです。
しかし、昨今の行政機関の対処能力は、これまでの政策立案やマインドでは、対処が難しく、政府に新しい情報や変化に対応して、政策を立案し、国を前向きに導く仕組みが必要となっています。
また、国民が選んだ政治家の指示にそって政策を実施すること、肥大化した予算のあり方、配分、人員を本当に変えないと日本が立ち直れなくなる時期にきています。
これができないと、本当に日本は、中国、韓国のみならず(すでに政治的対処能力は日本を数段上回っています。)、タイ・インドネシア・シンガポール・マレーシア・台湾などに抜き去られ、元の経済大国には戻れなくなってしまいます。
(これは啓示でも言われていました。)
日本が立ち行かなくなっているのは、政権の指示のもとに政策を立案し、動くべき官僚機構が、情勢が判断できず、また利権のフィルターがかかりすぎ、必要な対策をとれなくなっていることに大きな原因があると思います。
(官僚は、一般的に、時代の変化に対応することや将来予測などは苦手で、責任を非常に回避する性質があるといわれます。
予測や方針の指示は閣僚や専門家による上位機関で行い、官僚がその指示で動くようにシステムを変えるべきです。)
そこで、行政の対処能力獲得、現状や民意に応じた政治主導のために、例えば民主党などが掲げていた行政改革の方法については、検討に値する重要なものが見られますので、この際示したいと思います。
先進国型の民間主導、政治任用ポストやブレーンを増やし、官僚を有為に動かしていく必要があります。
大きく、行政機構改革は、大きく下記の3つの取組が必要だと思います。
1.民間含めた人材・専門家を取り入れ、「政策に反映させる」仕組みを作る。
2.官僚を人事、会議を見える化してグリップし、「官僚が指示通りに動く」ようにする。
3.「国の予算、人員配置を必要な方向に組み替える(日本の資金流出の見直し含む)」
そして、
4.「日本の国民と政治家が、本当の状況を知り、問題解決のために協力する意思を持つ」ことが、永続的に必要だと思います。
雰囲気に乗せられず、何が問題なのかをとらえ、当事者として動くことがまわりに流されやすい日本人には必要だと思います。
このまま責任者不在で、日本が国として沈没することは、なんとしても避けたいです。
霞が関改革は、大きな時間をかけず、迅速に行うことが大切です。
そのスピードは死活的に重要です。
「民主党が約束する 99の政策で日本はどう変わるか!」2009年7月神保哲生著
から紹介します。
1.企業献金は原則廃止、個人献金には「税額」を控除する。
個人が政治家に寄付した場合、「その金額分だけ税金を減額」する。
そうすれば、国に税金として納めるか、サポートする政治家に政治献金として納めるかを選べる。
(財務省の抵抗も予想されますが、有権者にとっては、支持する方に納め方を選べます。支持する政策に投資できます。
そして、国には、世代間負担などへの理解、公共意識の発達を促進する取り組みも必要になると思います。)
2.イギリスのように、政治任用ポスト(副大臣、政務次官、官房副長官)を増員し、100人規模の国会議員を送る。(アメリカでは政治任用が1,000人いるそうです。)
日本の重要な官職はほとんど公務員試験の合格者で占められるため、政治任用ポストをさらに増やし、さらに党の政策調査会(党の政策立案機関)が内閣に引っ越し、政策立案を内閣で行う。官邸主導の予算編成や政策立案を根本から変えていく。また、与党議員と官僚の接触を原則禁止にする。
(官僚は相当抵抗すると思いますが、マスコミも一緒に堂々と行うことが大事だと思います。)
(官職の政治任用ポストの中身について)
政務スタッフを民間中心にして、局長クラスまで政権側で決めるとしています。
「政務スタッフを民間中心」にするのは政策立案力をつけるうえで、とても大事なことだと思います。
1、首相の周りの国家戦略スタッフ、大臣の周りの政務スタッフを政治任用にし、官僚もありうるが、基本的に民間中心でつける。
2、局長クラスも、ある程度政権側で決める。(鳩山総理は、政権発足当初、局長以上に辞表を提出いただきたいと述べていました。)
3、課長クラスは、政権と無関係にこれまで通り公務員がつく。
4.官僚の天下りを根絶する。
外郭団体や特殊法人には、ほとんどノーチェックで国家予算がつぎ込まれている。
衆議院調査局によると07年4月時点で4,696法人に、26,632人の国家公務員が天下りしており、補助金、契約金が12兆円以上がつぎ込まれている。
そして、天下り先へ発注された工事は、98%が随契となっている。
天下りとはhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E4%B8%8B%E3%82%8A
これが、官製談合や随意契約などの無駄遣いの原因となるため、「天下りを全面的に禁止」し、天下りの背景にある(官僚同期の多くが退職する)早期退職勧奨制度を廃止する。中央官庁でも定年を段階的に65歳まで引き上げ、退職まで勤務できる制度をつくる。
また、アメリカの会計検査院(GAO)にあたる、「行政監視・評価院」と、事業を仕分けを行う「行政刷新会議」をつくる。
「事業仕分け」と、「行政刷新会議」は、立ち消えになりましたが、官僚のプライドも踏まえながら、政治家が方針を示し、省庁に細かい作業をしてもらうなど、反省点含めて再評価すべきです。
なお「行政刷新会議」と「国家戦略会議」はともに、第2次安倍内閣が発足した2012年12月26日深夜の初閣議により廃止されています。この会議が重要な意味を持っていたかがわかります。
予算の組み替えにかかる政策について
予算を必要なところにどう組み替えていくかについて示します。
国会で予算審議がされる一般会計が102兆円(R2年度)なのに、審議されない特別会計(約196兆円)の方が額が大きい。しかも中身がわかりにくい。この特別会計を原則廃止する。
必要なところへの予算組み替えについて、民主党2008年10月の衆院選マニフェストでは、下記により20.5兆円を捻出するとしていました。
無駄の見直しで9.1兆円
(内訳 地方への補助金音原則廃止と一括交付、独立行政法人や特別会計の原則廃止で4.3兆円、入札改革・天下りの根絶で1.8兆円、国の直轄事業の半減で1.3兆円、国家公務員総人件費の削減で1.1兆円、国会議員1割削減と予算の厳格査定で0.6兆円)
歳入の見直しで8.2兆円
(租税特別措置の見直しで4.2兆円、財政投融資特別会計、外国為替資金特別会計の運用益から4.0兆円)
霞が関埋蔵金の売却で3.2兆円 (財政投融資、外国為替資金など)
(しかし、埋蔵金は、一度使ってしまえばそれきりであり、安倍政権後、歳出に足りない税外収入を埋蔵金の活用や、借金返済の先送りなどでむりくり集めており、税金でまかなうというルールを大きく逸脱してきています。
安倍政権は、次の内閣や次世代のことをほとんど考えていないように思われます。
その意味で、予算の精査をするにしても、政権が利権と一般国民のどこを向いているのかが最も重要です。)
【図解・行政】2020年度予算案・税外収入の推移(2019年12月)
https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_pol_yosanzaisei20191220j-03-w380
この記事は、政治経済記事を担当しているA.Cによるものです。