TPP関連ニュースと国会での食の安全にかかるやりとりについて
- 2016/11/11
- 06:11
アメリカではトランプ大統領が誕生し、アメリカの産業保護策などへの戦略転換、内向きになることも予想されています。ただ、少なくとも今、日本政府はその合間に、自衛隊派遣やTPPなどの採決など既成事実化しようとしているように見えますので、これまでの案件についても継続して注目していてほしいと考えます。(今で押しこもうという考えもあるように見えます)TPP関連のニュースについて掲載します。今国会で成立の公算が...
アメリカではトランプ大統領が誕生し、アメリカの産業保護策などへの戦略転換、内向きになることも予想されています。
ただ、少なくとも今、日本政府はその合間に、自衛隊派遣やTPPなどの採決など既成事実化しようとしているように見えますので、これまでの案件についても継続して注目していてほしいと考えます。(今で押しこもうという考えもあるように見えます)
TPP関連のニュースについて掲載します。
今国会で成立の公算が大きくなっています。
TPPは、アメリカというよりは、多国籍企業の求めによるところが大きく、その圧力が強い様子は見えるのではないかと思います。
TPP今国会で承認=衆院通過、会期延長へ-山本農水相不信任は否決
時事通信(2016/11/10-19:04)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016111000647&g=eco
今国会最大の焦点である環太平洋連携協定(TPP)承認案と関連法案は10日午後の衆院本会議で、与党と日本維新の会などの賛成多数で可決された。TPPは参院に送付され、今国会で承認される。民進党など野党4党が提出した山本有二農林水産相の不信任決議案は否決された。政府・与党は承認に万全を期すため、今月30日までの今国会会期を延長する方針を固めた。
承認案は憲法の規定により、衆院通過から30日以内に参院が議決しない場合、12月9日に自然承認される。これに必要な日数を確保するため、会期延長幅は同10日ごろまでとする案が検討されているほか、年金制度改革法案などの処理も念頭に同28日ごろまでの延長案も取り沙汰されている。
TPPと食品問題について、
下記は、とても重要な論点と思われましたので、玉木 雄一郎さんの記事より掲載します。抜粋が少し長いですが、重要ですのでお読みいただけたらと思います。
国会で最近、実際に行われたやりとりです。このような実態を国民が知り、話すことが日本の「現状」を変えていく上でも大切だと思います。
安倍総理がTPPの強行採決を急いだもう一つの理由 より抜粋 (かっこはこちらで付記)
アゴラ 2016年11月07日 06:00 玉木 雄一郎(民進党 衆議院議員)http://agora-web.jp/archives/2022499.html
たまき雄一郎ブログ(年金運用や子育てなど様々な問題についても取り上げています)http://ameblo.jp/tamakiyuichiro/
ただ私は、国会審議を通じて、国民に知られたくない「TPPの真実」が次第に明らかになってきたことも理由の一つだと考えます。
特に、「食の安全」に関して、TPPの問題点が見えてきました。
ホルモン剤肉、「二重基準」で国民の安全を守れるか
私も2回にわたって、肥育ホルモンや塩酸ラクトパミンなどの飼料添加物を使った輸入牛肉や輸入豚肉の安全性の問題を国会で取り上げました。
そもそも、日本は、肥育ホルモンや飼料添加物の国内での使用は認めていないのに、それらを使用した牛肉や豚肉の輸入は認める「ダブルスタンダード(二重基準)」の珍しい国です。EUなどでは、使用も輸入も禁止されています。
そして、肥育ホルモンを使用した輸入牛肉の消費と、乳がんや卵巣がんなどホルモン依存型ガンとの関係を指摘する研究もあります。今後、TPPで牛肉・豚肉の輸入が増えるのであれば、こうした健康への悪影響の可能性も考えた万全の対策を講じなくてはなりません。
そこで、消費者及び食品安全を担当する松本大臣に、EUと同様、肥育ホルモンを使用した牛肉等の輸入を禁止するか、少なくとも、使用を国民に知らせる食品表示規制を新たに導入すべきではないかと質問しました。
これに対して松本大臣は、肥育ホルモン等は、一定期間で体外に排出されてしまうので検出が困難であり、検出できないものは規制できないと答弁しました。
しかし、検出できないから規制しないというのは、ある種の敗北宣言です。
(今後、このような、「体への影響がはっきりしないから規制しない」という理屈で、さまざまな輸入規制が解除されていく可能性は高いです。TPPでは、科学的な立証のないものは、規制できなくなるからです。アメリカ連邦法の食品安全強化法(FSMA)で、遺伝子組み換え食品は安全、それを規制するのは不当だ、という内容になっています。)
例えば、EUはアメリカと合意を結んで、米国農務省(USDA)が農家の生産方法や手続きを認証し、肥育ホルモンを使っていないとの認証を受けた牛肉等の輸入だけを認めるプログラム(NHTC Program)を作っています。EUにできることは、日本もできるはずです。
石原大臣は、科学的な立証ができればEUのような規制も可能だと答弁しました。
しかし、TPPが発効すれば、新たな規制を設けることは事実上できなくなる可能性が高いのです。
(しかし、これまでの国際基準では、起こりうる危険性を回避するための規制は認められています。後述していますが、輸入国側や消費者側が、遺伝子組み換えを行ったサケなどの危険性を科学的に証明することは極めて難しいからです。政府答弁を見ても、科学的立証できないのは認めるスタンスを取っているのがみえます。それがTPPの原則だからです。)
各国とも、貿易自由化を進める一方で、自国民の健康と命を守るため、厳しい動植物検疫制度は維持しています。甘いのは日本だけなのです。
塩崎厚労大臣に対して、肥育ホルモンを使った肉がどのくらい輸入されていて、そのうちどれくらいを検査しているのか、検査率はどのくらいかと質問したら、なんと把握していないとの答え。こんなことで効果的な検査ができるはずもありません。
検査すべき対象数量や件数を把握しないで、統計的に有意な検査サンプル数を割り出すことはできないはずです。
TPPによる輸入拡大を云々する前に、現在の検査体制の見直しや拡充を急ぐべきです。
肉に加えて、遺伝子を組み換えられた魚についても質問しました。
米国食品医薬品局(FDA)は昨年11月、深海魚の遺伝子を組み込み、2倍のスピードで成長するサケの消費を認可しました。
植物以外で世界初の認可で、一部では「フランケン・フィッシュ」と呼ばれているようです。しかも、遺伝子組み換えであるとの表示義務もかかりません。
この遺伝子組み換えサケは、アメリカでも反対の声が強く、パブリックコメントで200万人以上の人が反対の声を上げ、ウォルマートを除く8000店以上のスーパーマーケットが販売を拒否する事態になっているそうです。
今後、こうした魚やそれを使った加工食品が日本にも入ってくる可能性も否定できません。
そこで、TPPが発効した場合、こうした遺伝子を組み換えた魚の輸入を日本は禁止することができるのか質問しました。
これに対して、石原大臣は「(危険性について)科学的に立証できれば規制は可能である」と答弁しました。しかし、この認識は甘いと言わざるを得ません。
「予防原則」による食の安全規制がTPPで困難に
なぜなら、「科学的立証」をしろと言っても、輸入国側や消費者側が、遺伝子組み換えを行ったサケなどの危険性を科学的に証明することは極めて難しいからです。
実は、この科学的立証の問題に関して、世界貿易機関(WTO)の衛生植物検疫措置(SPS)協定では「予防原則」という考えが一定の条件の下で認められています。
「科学的根拠が不十分な場合でも、…衛生植物検疫措置を採用することができる」
(WTO SPS協定 第5条第7項)
TPP協定のSPS章には、WTOのような「科学的根拠が不十分な場合」の規定はありません。
そればかりか、TPPには、輸入国側が規制に必要な科学的根拠を「確保(ensure)」すると規定されており(第7・9条第2項)、WTOに比べて、非常に厳格な科学的立証を輸入国側に求める形となっています。
つまり、TPPの下では、十分な科学的根拠がない段階で、輸入国側が「予防原則」に基づく規制をかけることが難しい体系となっているのです。
それは、遺伝子組み換え食品の表示義務規制についても同じです。そこで、TPPが発効すると、「予防原則」に基づいて(遺伝子組み換えサケであるという)表示義務を課すことができなくなるのではないか、松本大臣に改めて確認しました。
ところが、松本大臣の答弁は全く要領を得ず、たまりかねた安倍総理が、指名もされていないのに飛び出してきて、「安全でないものが食卓に届くことは絶対にない」と断言する始末。
ただ断言するだけで、その具体的根拠は示されませんでした。
(今後もあると思うので補足しますが、安倍首相は、このように説明なしに押し込む方法をとることが多いです。TPP採決についても「結党以来、強行採決など考えたことがない」といいつつ、強行採決となりました。こういうことは、国民は忘れない方がよいと考えます)
TPP協定におけるSPS章や貿易に対する技術的障壁(TBT)章は、WTOと「同様」なので、我が国の現行規制の変更はないというものです。しかし、TPPとWTOは「同様」であっても、大事な部分で「同じ」ではないのです。
過去だけでなく将来も「秘密」のTPP
一つ例をあげると、TPP協定のSPS章第7・17条は、自国の貿易に悪影響を及ぼすおそれがあるときは、輸出国は「技術的な協議(CTC)」を要請できるとされており、その協議内容はすべて秘密にすることになっています(同条第6項)。
要は、日本の規制が自国の輸出にとって不利だと思えば、輸出国がいくらでも文句を言う権利が確保されているのです。しかも、秘密裏に。
そもそも、なぜ、食の安全に関する協議をすべて秘密にする必要があるのでしょうか。
このような規定はWTOのSPS協定にはありません。 TPPの徹底した秘密性がここにも表れています。
過去の交渉過程はすべて「黒塗り」でしたが、TPPが発効した将来にもおいても、国民の健康や命に関わる問題が、国民の知らないところで決められ、そのやりとりや根拠が永遠に秘密にされる可能性があるのです。
健康や命などお金にかえられない価値を守ることこそが、国家の果たすべき重要な役割です。
しかし、TPPは、こうした国家の役割・機能を縮小させる性格を有しています。
その意味で、TPPは単なる自由貿易のルールではないのです。
こうした問題点がようやく明らかになってきた段階での強行採決。
強行採決によって、冷静に議論を深める機会が奪われてしまいました。
極めて遺憾であり、強行採決を主導したとされる官邸とそれを実行した自民党に強く抗議します。
参議院での議論の深まりを期待しますが、良識ある自民党議員の皆さんにもお願いしたいと思います。
我が国の国益を守るために、もう少しキチンと議論しませんか。
国会は官邸の下請け機関ではありません。
玉城さんのブログからの記事抜粋は以上ですが、TPP始め、日本の食の安全その基準は、EU諸国と比べてもどうなのか見ていく必要があると思います。
ほんとうに、前回記事などでも紹介していますが、TPPに関しては、いろんな事実が今まさに明るみに出てきています。その中身や懸念を語ることは大切ですし、日本がなぜ批准に急ぐのかを含め、国民の生活に関わることですので、自分目の前で起こりつつあることとして知っていただけたらと思います。
玉木さんのブログ他の記事も、原発、年金やその運用、子育てなどわかりやすく解説されていますので、紹介しておきます。
たまき雄一郎ブログhttp://ameblo.jp/tamakiyuichiro/entrylist.html
上記はミロク会・政治経済記事を担当しているA.Cの紹介する情報等です。
ただ、少なくとも今、日本政府はその合間に、自衛隊派遣やTPPなどの採決など既成事実化しようとしているように見えますので、これまでの案件についても継続して注目していてほしいと考えます。(今で押しこもうという考えもあるように見えます)
TPP関連のニュースについて掲載します。
今国会で成立の公算が大きくなっています。
TPPは、アメリカというよりは、多国籍企業の求めによるところが大きく、その圧力が強い様子は見えるのではないかと思います。
TPP今国会で承認=衆院通過、会期延長へ-山本農水相不信任は否決
時事通信(2016/11/10-19:04)
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016111000647&g=eco
今国会最大の焦点である環太平洋連携協定(TPP)承認案と関連法案は10日午後の衆院本会議で、与党と日本維新の会などの賛成多数で可決された。TPPは参院に送付され、今国会で承認される。民進党など野党4党が提出した山本有二農林水産相の不信任決議案は否決された。政府・与党は承認に万全を期すため、今月30日までの今国会会期を延長する方針を固めた。
承認案は憲法の規定により、衆院通過から30日以内に参院が議決しない場合、12月9日に自然承認される。これに必要な日数を確保するため、会期延長幅は同10日ごろまでとする案が検討されているほか、年金制度改革法案などの処理も念頭に同28日ごろまでの延長案も取り沙汰されている。
TPPと食品問題について、
下記は、とても重要な論点と思われましたので、玉木 雄一郎さんの記事より掲載します。抜粋が少し長いですが、重要ですのでお読みいただけたらと思います。
国会で最近、実際に行われたやりとりです。このような実態を国民が知り、話すことが日本の「現状」を変えていく上でも大切だと思います。
安倍総理がTPPの強行採決を急いだもう一つの理由 より抜粋 (かっこはこちらで付記)
アゴラ 2016年11月07日 06:00 玉木 雄一郎(民進党 衆議院議員)http://agora-web.jp/archives/2022499.html
たまき雄一郎ブログ(年金運用や子育てなど様々な問題についても取り上げています)http://ameblo.jp/tamakiyuichiro/
ただ私は、国会審議を通じて、国民に知られたくない「TPPの真実」が次第に明らかになってきたことも理由の一つだと考えます。
特に、「食の安全」に関して、TPPの問題点が見えてきました。
ホルモン剤肉、「二重基準」で国民の安全を守れるか
私も2回にわたって、肥育ホルモンや塩酸ラクトパミンなどの飼料添加物を使った輸入牛肉や輸入豚肉の安全性の問題を国会で取り上げました。
そもそも、日本は、肥育ホルモンや飼料添加物の国内での使用は認めていないのに、それらを使用した牛肉や豚肉の輸入は認める「ダブルスタンダード(二重基準)」の珍しい国です。EUなどでは、使用も輸入も禁止されています。
そして、肥育ホルモンを使用した輸入牛肉の消費と、乳がんや卵巣がんなどホルモン依存型ガンとの関係を指摘する研究もあります。今後、TPPで牛肉・豚肉の輸入が増えるのであれば、こうした健康への悪影響の可能性も考えた万全の対策を講じなくてはなりません。
そこで、消費者及び食品安全を担当する松本大臣に、EUと同様、肥育ホルモンを使用した牛肉等の輸入を禁止するか、少なくとも、使用を国民に知らせる食品表示規制を新たに導入すべきではないかと質問しました。
これに対して松本大臣は、肥育ホルモン等は、一定期間で体外に排出されてしまうので検出が困難であり、検出できないものは規制できないと答弁しました。
しかし、検出できないから規制しないというのは、ある種の敗北宣言です。
(今後、このような、「体への影響がはっきりしないから規制しない」という理屈で、さまざまな輸入規制が解除されていく可能性は高いです。TPPでは、科学的な立証のないものは、規制できなくなるからです。アメリカ連邦法の食品安全強化法(FSMA)で、遺伝子組み換え食品は安全、それを規制するのは不当だ、という内容になっています。)
例えば、EUはアメリカと合意を結んで、米国農務省(USDA)が農家の生産方法や手続きを認証し、肥育ホルモンを使っていないとの認証を受けた牛肉等の輸入だけを認めるプログラム(NHTC Program)を作っています。EUにできることは、日本もできるはずです。
石原大臣は、科学的な立証ができればEUのような規制も可能だと答弁しました。
しかし、TPPが発効すれば、新たな規制を設けることは事実上できなくなる可能性が高いのです。
(しかし、これまでの国際基準では、起こりうる危険性を回避するための規制は認められています。後述していますが、輸入国側や消費者側が、遺伝子組み換えを行ったサケなどの危険性を科学的に証明することは極めて難しいからです。政府答弁を見ても、科学的立証できないのは認めるスタンスを取っているのがみえます。それがTPPの原則だからです。)
各国とも、貿易自由化を進める一方で、自国民の健康と命を守るため、厳しい動植物検疫制度は維持しています。甘いのは日本だけなのです。
塩崎厚労大臣に対して、肥育ホルモンを使った肉がどのくらい輸入されていて、そのうちどれくらいを検査しているのか、検査率はどのくらいかと質問したら、なんと把握していないとの答え。こんなことで効果的な検査ができるはずもありません。
検査すべき対象数量や件数を把握しないで、統計的に有意な検査サンプル数を割り出すことはできないはずです。
TPPによる輸入拡大を云々する前に、現在の検査体制の見直しや拡充を急ぐべきです。
肉に加えて、遺伝子を組み換えられた魚についても質問しました。
米国食品医薬品局(FDA)は昨年11月、深海魚の遺伝子を組み込み、2倍のスピードで成長するサケの消費を認可しました。
植物以外で世界初の認可で、一部では「フランケン・フィッシュ」と呼ばれているようです。しかも、遺伝子組み換えであるとの表示義務もかかりません。
この遺伝子組み換えサケは、アメリカでも反対の声が強く、パブリックコメントで200万人以上の人が反対の声を上げ、ウォルマートを除く8000店以上のスーパーマーケットが販売を拒否する事態になっているそうです。
今後、こうした魚やそれを使った加工食品が日本にも入ってくる可能性も否定できません。
そこで、TPPが発効した場合、こうした遺伝子を組み換えた魚の輸入を日本は禁止することができるのか質問しました。
これに対して、石原大臣は「(危険性について)科学的に立証できれば規制は可能である」と答弁しました。しかし、この認識は甘いと言わざるを得ません。
「予防原則」による食の安全規制がTPPで困難に
なぜなら、「科学的立証」をしろと言っても、輸入国側や消費者側が、遺伝子組み換えを行ったサケなどの危険性を科学的に証明することは極めて難しいからです。
実は、この科学的立証の問題に関して、世界貿易機関(WTO)の衛生植物検疫措置(SPS)協定では「予防原則」という考えが一定の条件の下で認められています。
「科学的根拠が不十分な場合でも、…衛生植物検疫措置を採用することができる」
(WTO SPS協定 第5条第7項)
TPP協定のSPS章には、WTOのような「科学的根拠が不十分な場合」の規定はありません。
そればかりか、TPPには、輸入国側が規制に必要な科学的根拠を「確保(ensure)」すると規定されており(第7・9条第2項)、WTOに比べて、非常に厳格な科学的立証を輸入国側に求める形となっています。
つまり、TPPの下では、十分な科学的根拠がない段階で、輸入国側が「予防原則」に基づく規制をかけることが難しい体系となっているのです。
それは、遺伝子組み換え食品の表示義務規制についても同じです。そこで、TPPが発効すると、「予防原則」に基づいて(遺伝子組み換えサケであるという)表示義務を課すことができなくなるのではないか、松本大臣に改めて確認しました。
ところが、松本大臣の答弁は全く要領を得ず、たまりかねた安倍総理が、指名もされていないのに飛び出してきて、「安全でないものが食卓に届くことは絶対にない」と断言する始末。
ただ断言するだけで、その具体的根拠は示されませんでした。
(今後もあると思うので補足しますが、安倍首相は、このように説明なしに押し込む方法をとることが多いです。TPP採決についても「結党以来、強行採決など考えたことがない」といいつつ、強行採決となりました。こういうことは、国民は忘れない方がよいと考えます)
TPP協定におけるSPS章や貿易に対する技術的障壁(TBT)章は、WTOと「同様」なので、我が国の現行規制の変更はないというものです。しかし、TPPとWTOは「同様」であっても、大事な部分で「同じ」ではないのです。
過去だけでなく将来も「秘密」のTPP
一つ例をあげると、TPP協定のSPS章第7・17条は、自国の貿易に悪影響を及ぼすおそれがあるときは、輸出国は「技術的な協議(CTC)」を要請できるとされており、その協議内容はすべて秘密にすることになっています(同条第6項)。
要は、日本の規制が自国の輸出にとって不利だと思えば、輸出国がいくらでも文句を言う権利が確保されているのです。しかも、秘密裏に。
そもそも、なぜ、食の安全に関する協議をすべて秘密にする必要があるのでしょうか。
このような規定はWTOのSPS協定にはありません。 TPPの徹底した秘密性がここにも表れています。
過去の交渉過程はすべて「黒塗り」でしたが、TPPが発効した将来にもおいても、国民の健康や命に関わる問題が、国民の知らないところで決められ、そのやりとりや根拠が永遠に秘密にされる可能性があるのです。
健康や命などお金にかえられない価値を守ることこそが、国家の果たすべき重要な役割です。
しかし、TPPは、こうした国家の役割・機能を縮小させる性格を有しています。
その意味で、TPPは単なる自由貿易のルールではないのです。
こうした問題点がようやく明らかになってきた段階での強行採決。
強行採決によって、冷静に議論を深める機会が奪われてしまいました。
極めて遺憾であり、強行採決を主導したとされる官邸とそれを実行した自民党に強く抗議します。
参議院での議論の深まりを期待しますが、良識ある自民党議員の皆さんにもお願いしたいと思います。
我が国の国益を守るために、もう少しキチンと議論しませんか。
国会は官邸の下請け機関ではありません。
玉城さんのブログからの記事抜粋は以上ですが、TPP始め、日本の食の安全その基準は、EU諸国と比べてもどうなのか見ていく必要があると思います。
ほんとうに、前回記事などでも紹介していますが、TPPに関しては、いろんな事実が今まさに明るみに出てきています。その中身や懸念を語ることは大切ですし、日本がなぜ批准に急ぐのかを含め、国民の生活に関わることですので、自分目の前で起こりつつあることとして知っていただけたらと思います。
玉木さんのブログ他の記事も、原発、年金やその運用、子育てなどわかりやすく解説されていますので、紹介しておきます。
たまき雄一郎ブログhttp://ameblo.jp/tamakiyuichiro/entrylist.html
上記はミロク会・政治経済記事を担当しているA.Cの紹介する情報等です。