北朝鮮関連その2 北朝鮮へ経済制裁をすることは、かえって戦争への動機を高めかねないことについて
- 2016/08/03
- 19:18
北朝鮮への対応について、もう一つの本「21世紀の戦争と平和」孫崎享著2016年6月 から、一部示します。(P259等より) 経済的制裁で(北朝鮮の)独裁政権が倒れることはありません。皮肉なことですが逆に政権を強くします (経済制裁が行われると)全体主義国家では、食べ物を確保することにすら、政権への忠誠度がますます影響するようになるでしょう。例えば、太平洋戦争中の日本経済は極度に困窮しましたが、作家や画家は、政...
北朝鮮への対応について、もう一つの本「21世紀の戦争と平和」孫崎享著2016年6月 から、一部示します。(P259等より)
経済的制裁で(北朝鮮の)独裁政権が倒れることはありません。皮肉なことですが逆に政権を強くします
(経済制裁が行われると)全体主義国家では、食べ物を確保することにすら、政権への忠誠度がますます影響するようになるでしょう。
例えば、太平洋戦争中の日本経済は極度に困窮しましたが、作家や画家は、政権礼賛、戦争礼賛をしないと画材が手に入りませんでした。
経済が困窮すれば、(国のしめつけが増し)なんでもない物資の調達にさえ(国民の)イデオロギーへの服従がむしろ浸透してしまうのです。
(また、イラン・イラク戦争時は両国が、戦争を口実 に政敵を粛正していた例を挙げ)戦争状態が続いていることすら、政権にとって有利なのです。
北朝鮮を見ればまさにそうです。西側諸国の制裁が強まるほど、人民は生活を維持するために政権支持を表明しなければなりま
せん。そして、政治的に反対する者を、国難の中で反逆者として処刑することも簡単です。これが、いま北朝鮮で起こっていることではないでしょうか。
(抜粋以上ですが、これからすると、北朝鮮を孤立させず、経済的に巻き込みながら、緊張緩和の方向にもっていくことが、戦争をさ
せないためには有効ということになります。戦前の日本が戦争した大きな要因は、貧窮や諸国の経済制裁だったと言われます。)
拉致問題の解決について
また、アフリカやアフガンで長年、紛争解決に長年携わり、紛争を熟知する伊勢崎賢治さんも、上記と似たような形で、経済制裁では埒があかないことや他の交渉方法を書いていましたので、示します。
「新国防論」という本から。P150などより(括弧はこちらの付記です)
(拉致問題が)政治に翻弄される今の状況が続くと、拉致被害者の家族の皆さんの寿命が尽きてしまいます。なんとか現在の袋小路を打開しなければなりません。
北朝鮮の核・ミサイル問題に神経をとがらせているアメリカを刺激しないように配慮しつつ、(米中韓と)経済制裁の足並みをそろえながらも、日本が「人権」の王者に見せかけ、北朝鮮自身の人民を救う人道支援のリーダーシップを取る。この手があると思います。
これによって北朝鮮の懐に入り、拉致問題解決の突破口にするのです。人道支援ならアメリカも文句は言えません。
(人道救助を他国と共に表明すれば、なかなか「やめなさい」と言いにくいと思います。人道救助(人道支援)とは
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E9%81%93%E6%8F%B4%E5%8A%A9
そして、「拉致被害者を全員返せ」という強硬なスタンスではなく、「真実の究明」に向けて、交渉のハードルを一つ下げるのです。
「過去のことで北朝鮮首脳部を罪に問わない。その代わりに、一緒に真相を究明しましょう」-その過程で、生存者の発見と帰還という実益を目指す。
経済制裁という「報復」がなんの解決にもならないとしたら、対話の場を作るしかありません。
「拉致被害者を取り返すための制裁」から「真実を究明するための交渉再開」、「真実を究明するための国交正常化」へ、対策のパラダイム変換を図る。 そして、「拉致問題は過去の問題なので、現在の政権の責任は不問にする」という形で北朝鮮のメンツを立てる。
そうして一緒に真相究明の調査をしていけば、北朝鮮側が新情報を提示してくれる可能性は確実に高まります。
「改めて調べたら、実際に拉致被害者が存在していた・・」と北朝鮮が言えるメンツを、怒りと復讐の気持ちを抑え、常に用意しておく。ご家族の寿命が尽きてしまう前に。”少なくとも”、「真実」が開示されるように。
提案以上ですが、現状で進展が見られない以上、相手の対応を促すため、相手の警戒を解き、ハードルを下げ、「真実の究明」という解決を提示していくことは、たしかに有力な解決法の一つだと思われます。
特にこの1,2年、米韓軍事演習、それをうけて多数のミサイル発射が頻発している状況を見ると、確かに、経済制裁や軍事演習は、沈静化に逆効果で、むしろ煽ることになってしまっています。(朝鮮半島の資産を奪いたい勢力があるのかもしれませんが)
特に周辺国、関係国について、互いを刺激せず、各国で沈静化に向けて話し合い、交渉するようにもっていく取組が必要です。
上記はミロク会・政治経済記事を担当しているA.C記載の記事です。
経済的制裁で(北朝鮮の)独裁政権が倒れることはありません。皮肉なことですが逆に政権を強くします
(経済制裁が行われると)全体主義国家では、食べ物を確保することにすら、政権への忠誠度がますます影響するようになるでしょう。
例えば、太平洋戦争中の日本経済は極度に困窮しましたが、作家や画家は、政権礼賛、戦争礼賛をしないと画材が手に入りませんでした。
経済が困窮すれば、(国のしめつけが増し)なんでもない物資の調達にさえ(国民の)イデオロギーへの服従がむしろ浸透してしまうのです。
(また、イラン・イラク戦争時は両国が、戦争を口実 に政敵を粛正していた例を挙げ)戦争状態が続いていることすら、政権にとって有利なのです。
北朝鮮を見ればまさにそうです。西側諸国の制裁が強まるほど、人民は生活を維持するために政権支持を表明しなければなりま
せん。そして、政治的に反対する者を、国難の中で反逆者として処刑することも簡単です。これが、いま北朝鮮で起こっていることではないでしょうか。
(抜粋以上ですが、これからすると、北朝鮮を孤立させず、経済的に巻き込みながら、緊張緩和の方向にもっていくことが、戦争をさ
せないためには有効ということになります。戦前の日本が戦争した大きな要因は、貧窮や諸国の経済制裁だったと言われます。)
拉致問題の解決について
また、アフリカやアフガンで長年、紛争解決に長年携わり、紛争を熟知する伊勢崎賢治さんも、上記と似たような形で、経済制裁では埒があかないことや他の交渉方法を書いていましたので、示します。
「新国防論」という本から。P150などより(括弧はこちらの付記です)
(拉致問題が)政治に翻弄される今の状況が続くと、拉致被害者の家族の皆さんの寿命が尽きてしまいます。なんとか現在の袋小路を打開しなければなりません。
北朝鮮の核・ミサイル問題に神経をとがらせているアメリカを刺激しないように配慮しつつ、(米中韓と)経済制裁の足並みをそろえながらも、日本が「人権」の王者に見せかけ、北朝鮮自身の人民を救う人道支援のリーダーシップを取る。この手があると思います。
これによって北朝鮮の懐に入り、拉致問題解決の突破口にするのです。人道支援ならアメリカも文句は言えません。
(人道救助を他国と共に表明すれば、なかなか「やめなさい」と言いにくいと思います。人道救助(人道支援)とは
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E9%81%93%E6%8F%B4%E5%8A%A9
そして、「拉致被害者を全員返せ」という強硬なスタンスではなく、「真実の究明」に向けて、交渉のハードルを一つ下げるのです。
「過去のことで北朝鮮首脳部を罪に問わない。その代わりに、一緒に真相を究明しましょう」-その過程で、生存者の発見と帰還という実益を目指す。
経済制裁という「報復」がなんの解決にもならないとしたら、対話の場を作るしかありません。
「拉致被害者を取り返すための制裁」から「真実を究明するための交渉再開」、「真実を究明するための国交正常化」へ、対策のパラダイム変換を図る。 そして、「拉致問題は過去の問題なので、現在の政権の責任は不問にする」という形で北朝鮮のメンツを立てる。
そうして一緒に真相究明の調査をしていけば、北朝鮮側が新情報を提示してくれる可能性は確実に高まります。
「改めて調べたら、実際に拉致被害者が存在していた・・」と北朝鮮が言えるメンツを、怒りと復讐の気持ちを抑え、常に用意しておく。ご家族の寿命が尽きてしまう前に。”少なくとも”、「真実」が開示されるように。
提案以上ですが、現状で進展が見られない以上、相手の対応を促すため、相手の警戒を解き、ハードルを下げ、「真実の究明」という解決を提示していくことは、たしかに有力な解決法の一つだと思われます。
特にこの1,2年、米韓軍事演習、それをうけて多数のミサイル発射が頻発している状況を見ると、確かに、経済制裁や軍事演習は、沈静化に逆効果で、むしろ煽ることになってしまっています。(朝鮮半島の資産を奪いたい勢力があるのかもしれませんが)
特に周辺国、関係国について、互いを刺激せず、各国で沈静化に向けて話し合い、交渉するようにもっていく取組が必要です。
上記はミロク会・政治経済記事を担当しているA.C記載の記事です。
北朝鮮関連その1 北朝鮮和平のヒントについて(これが、日本、韓国の米軍配備の見直しになりうることについて)
- 2016/08/03
- 18:52
北朝鮮について、今年4月の日韓合同軍事演習など、これまでになく緊張した状態にあり、何かの混乱などあれば、紛争が起こりかねない状況にあります。7月29日には、北朝鮮兵士と見られる5人が、国境を越え、中国で強盗したというニュースがありました。 「北朝鮮兵士か、中国で民家襲い当局と銃撃戦」http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20160729-00000054-jnn-int兵士まで国外で強盗せざるを得ないほど、国内が困窮し...
北朝鮮について、今年4月の日韓合同軍事演習など、これまでになく緊張した状態にあり、何かの混乱などあれば、紛争が起こりかねない状況にあります。
7月29日には、北朝鮮兵士と見られる5人が、国境を越え、中国で強盗したというニュースがありました。 「北朝鮮兵士か、中国で民家襲い当局と銃撃戦」
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20160729-00000054-jnn-int
兵士まで国外で強盗せざるを得ないほど、国内が困窮している可能性があります。
本当は、韓国、日本、北朝鮮、中国、ロシア、アメリカなど関係各国が、今の北朝鮮の困窮や緊張を放置せず、事態打開のための交渉を含め、積極的に話し合えば、逆に東アジアのこれまでの緊張、不和、そして日韓の基地問題解決につながる可能性があります。
緊張緩和のためには、例えば下記のような対応案もあります。
・戦争に人命や膨大な軍事費、財産等の犠牲を払い、何十年も恨みを引きずるより、戦争を回避する方が、はるかに合理的で安全あることをお互いに認識してもらう。
・そのために、北朝鮮を国際社会の中で孤立させない状況を作る。
・経済的に、国際社会の中に組み込む。
上記は「北朝鮮の緊張、それをめぐる戦争の回避について」2016/06/04
http://inorinowa2.blog.fc2.com/blog-entry-46.html
に示していますので、この機会にお読みいただけたらと思います。
そして、北朝鮮の平和的統一を図るにあたり、1989年以降の東西ドイツの統一事例は、かなり参考になります。
1990年以降の東西ドイツは、戦後分断され、緊張状態、前後に混乱があったもののどうにか平和裏に統一することができました。
今、目の前にある困難の解決に向けて、日韓を初めとした各国が動き出すことが、今、ほんとうに大切な時期になっていると思われます。
今、日本と韓国は、この平和的解決について、下記の事例などをベースに提案し、各国に求めることができるのではないでしょうか。
中国、ロシア、アメリカに対し、お互いの利益を維持し、生み、解決することを提案していく。そして日本と韓国などが、そうしたいと真剣に求めることが必要ではないかと思います。(影響を被りますから)
緊張を放置したまま、戦争になり、何百万人も命を失い、何十年も恨み、損失、いさかいを「再び」つくることを避けるため、今、まさに努力のしどころです。
そうなれば、朝鮮半島の資産も他にまわるかもしれません。(ある団体は、戦争で、それを取ることを考えているかもしれません。)
下記、朝鮮半島の平和的統一、和解方法の提案がありましたので示します。
日本はなぜ「戦争できる国」になったのか
矢部宏治 2016年5月31日 307ページより(表現一部手入れ※箇所はこちらで付記)
ドイツ統一の経済的な側面でおきたのは、人口1600万人の東ドイツの物膨大な資産(リソース)が、「超超大国」である西ドイツの基準で再評価(リアセスメント)されたという出来事でした。それにより生まれた巨大な利益のかなりの部分は、アメリカ資本の手に渡ったと考えられています。
もちろん朝鮮半島の統一が生み出す巨大な富(北朝鮮の人口は2500万人、その鉱物資源の豊かさは、世界でも指折りと言われています。)は、すべて朝鮮半島で暮らす人びとの手に渡ることが理想ですが、実際に戦争というプロセスをへることなく統一や連邦化が実現するためには、ある程度そうした要因(関係国への利益配分など)が必要になることは避けられません。
ですから東アジアに平和と安定をもたらすために日本がすべきことは、朝鮮半島の統一のために政治的にも資金的にも大きく貢献し、韓国・北朝鮮と、アメリカ・中国・ロシアが、いずれもウイン&ウインの関係になれるような具体的シナリオを、いくつも考え出すことではないでしょうか。
韓国・北朝鮮は、「民族統合による政治的・経済的利益と今後の経済発展」を、
アメリカや中国、ロシアは「統一や連邦化が生み出す巨大な経済的利益の一部」を、
そして日本は「70年間追い求めてきた主権の回復」を手にする。
これは決して夢物語ではありません。それはまさにドイツの統一過程で起こったことであり、ドイツはその3つの役割のなかの2つを自分たち自身でやったのですから。
※そして、ほとんど知られていませんが、実は、この北朝鮮問題の解決が、戦後の在日米軍、在韓米軍の駐留について、とても重要な影響を与えます。
朝鮮半島において、少なくとも平和条約が結ばれれば、朝鮮国連軍(米軍)も、国連軍地位協定も法的な根拠を失います。
平和条約や統一の問題となるのは、アメリカや中国、ロシアによる承認ですから(朝鮮半島の平和条約は、これらの国の承認があれば可能)、在日米軍も在韓米軍も、そもそも駐留する口実がなくなってしまう。
※というのも、米軍が日本のどこにでも配置できること、自衛隊が米軍の指揮権下にあることは、朝鮮戦争の占領中の協力体制の継続を定めた「吉田・アチソン交換公文」「国連軍地位協定」「日米地位協定」「新安保条約」「統治行為論」が元になっており、それは朝鮮戦争が休戦中であるために、効力を生じているからです。
※そういう意味では、「朝鮮戦争の終了(和平条約の締結等)」が、安保条約、地位協定の改定の元になるとも言えます。
(「日本はなぜ『戦争できる国』になったのか」P272などより)
(朝鮮戦争が終結して)万一、部分的な駐留が継続された場合でも、ドイツのように国内法を厳格に適用して、米軍の行動に厳重な縛りをかけることもできるようになります。
サンフランシスコ・システム(日本の占領下に恒久的に米軍への従属を取り決めたこと)の最大の問題点は、日本の戦後処理を確定する平和条約に、最大の関係国である)中国と朝鮮(さらには沖縄をいっさい関与させず、両国の分断状態を逆に固定化してしまったことでした。
ですから、戦後日本の大きな歪みを根本から正すためには、フィリピンや、ドイツのモデルについてよく研究し、シミュレーションを重ねておく必要があるのです。
実現可能なシナリオさえ描けば、アメリカの政治家や外交官の中で話にのってくる人間は、かならずいるはずです。
※これは大切なことだと思われます。アメリカは、実はいわゆるネオコン(軍産複合体で利益を得ている、新保守主義といわれる人たち)だけで動いている国ではないからです。ちゃんと、わが国はこうしたい、とホワイトハウス関係者らに話し、その内容が合理的で、双方にメリットがあれば、話に乗る人がいます。
※アメリカにはそうや意志表示を尊ぶ文化があります。
現在のような「法的怪物(ジュリディック・モンスター)」としての在日・在韓米軍のあり方と、それらが支配する極東の政治状況は、けっしてアメリカという国家の主流派(メインストリーム)が、事情をよく分かった上で公認しているものではないからです。
※事実、先の「吉田・アチソン交換公文」「国連軍地位協定」「日米地位協定」「新安保条約」「統治行為論」は、アメリカの一部の高官(ジョン・ダレス、ジョン・ハワードなど)が、自分たち以外に分からないような形で締結した面があるからです。
参考説明
http://s.webry.info/sp/js30.at.webry.info/201606/article_24.html
本などからは以上です。
繰り返しますが、朝鮮戦争の平和的解決について、例えば
韓国・北朝鮮は、「民族統合による政治的・経済的利益と今後の経済発展」を、
アメリカや中国、ロシアは「統一や連邦化が生み出す巨大な経済的利益の一部」を、
そして日本は「70年間追い求めてきた主権の回復」を手にする
というようなモデルを考え、それを日本や韓国から、中国、ロシア、アメリカに提案することで、東アジアの大きな不安定要因を除去し、在日米軍の問題なども解決できる可能性があります。北朝鮮の問題は、実はそれくらい日本にとって、戦後を転換する大きなチャンスとなるものです。
上記はミロク会・政治経済記事を担当しているA.C記載の記事です。
7月29日には、北朝鮮兵士と見られる5人が、国境を越え、中国で強盗したというニュースがありました。 「北朝鮮兵士か、中国で民家襲い当局と銃撃戦」
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20160729-00000054-jnn-int
兵士まで国外で強盗せざるを得ないほど、国内が困窮している可能性があります。
本当は、韓国、日本、北朝鮮、中国、ロシア、アメリカなど関係各国が、今の北朝鮮の困窮や緊張を放置せず、事態打開のための交渉を含め、積極的に話し合えば、逆に東アジアのこれまでの緊張、不和、そして日韓の基地問題解決につながる可能性があります。
緊張緩和のためには、例えば下記のような対応案もあります。
・戦争に人命や膨大な軍事費、財産等の犠牲を払い、何十年も恨みを引きずるより、戦争を回避する方が、はるかに合理的で安全あることをお互いに認識してもらう。
・そのために、北朝鮮を国際社会の中で孤立させない状況を作る。
・経済的に、国際社会の中に組み込む。
上記は「北朝鮮の緊張、それをめぐる戦争の回避について」2016/06/04
http://inorinowa2.blog.fc2.com/blog-entry-46.html
に示していますので、この機会にお読みいただけたらと思います。
そして、北朝鮮の平和的統一を図るにあたり、1989年以降の東西ドイツの統一事例は、かなり参考になります。
1990年以降の東西ドイツは、戦後分断され、緊張状態、前後に混乱があったもののどうにか平和裏に統一することができました。
今、目の前にある困難の解決に向けて、日韓を初めとした各国が動き出すことが、今、ほんとうに大切な時期になっていると思われます。
今、日本と韓国は、この平和的解決について、下記の事例などをベースに提案し、各国に求めることができるのではないでしょうか。
中国、ロシア、アメリカに対し、お互いの利益を維持し、生み、解決することを提案していく。そして日本と韓国などが、そうしたいと真剣に求めることが必要ではないかと思います。(影響を被りますから)
緊張を放置したまま、戦争になり、何百万人も命を失い、何十年も恨み、損失、いさかいを「再び」つくることを避けるため、今、まさに努力のしどころです。
そうなれば、朝鮮半島の資産も他にまわるかもしれません。(ある団体は、戦争で、それを取ることを考えているかもしれません。)
下記、朝鮮半島の平和的統一、和解方法の提案がありましたので示します。
日本はなぜ「戦争できる国」になったのか
矢部宏治 2016年5月31日 307ページより(表現一部手入れ※箇所はこちらで付記)
ドイツ統一の経済的な側面でおきたのは、人口1600万人の東ドイツの物膨大な資産(リソース)が、「超超大国」である西ドイツの基準で再評価(リアセスメント)されたという出来事でした。それにより生まれた巨大な利益のかなりの部分は、アメリカ資本の手に渡ったと考えられています。
もちろん朝鮮半島の統一が生み出す巨大な富(北朝鮮の人口は2500万人、その鉱物資源の豊かさは、世界でも指折りと言われています。)は、すべて朝鮮半島で暮らす人びとの手に渡ることが理想ですが、実際に戦争というプロセスをへることなく統一や連邦化が実現するためには、ある程度そうした要因(関係国への利益配分など)が必要になることは避けられません。
ですから東アジアに平和と安定をもたらすために日本がすべきことは、朝鮮半島の統一のために政治的にも資金的にも大きく貢献し、韓国・北朝鮮と、アメリカ・中国・ロシアが、いずれもウイン&ウインの関係になれるような具体的シナリオを、いくつも考え出すことではないでしょうか。
韓国・北朝鮮は、「民族統合による政治的・経済的利益と今後の経済発展」を、
アメリカや中国、ロシアは「統一や連邦化が生み出す巨大な経済的利益の一部」を、
そして日本は「70年間追い求めてきた主権の回復」を手にする。
これは決して夢物語ではありません。それはまさにドイツの統一過程で起こったことであり、ドイツはその3つの役割のなかの2つを自分たち自身でやったのですから。
※そして、ほとんど知られていませんが、実は、この北朝鮮問題の解決が、戦後の在日米軍、在韓米軍の駐留について、とても重要な影響を与えます。
朝鮮半島において、少なくとも平和条約が結ばれれば、朝鮮国連軍(米軍)も、国連軍地位協定も法的な根拠を失います。
平和条約や統一の問題となるのは、アメリカや中国、ロシアによる承認ですから(朝鮮半島の平和条約は、これらの国の承認があれば可能)、在日米軍も在韓米軍も、そもそも駐留する口実がなくなってしまう。
※というのも、米軍が日本のどこにでも配置できること、自衛隊が米軍の指揮権下にあることは、朝鮮戦争の占領中の協力体制の継続を定めた「吉田・アチソン交換公文」「国連軍地位協定」「日米地位協定」「新安保条約」「統治行為論」が元になっており、それは朝鮮戦争が休戦中であるために、効力を生じているからです。
※そういう意味では、「朝鮮戦争の終了(和平条約の締結等)」が、安保条約、地位協定の改定の元になるとも言えます。
(「日本はなぜ『戦争できる国』になったのか」P272などより)
(朝鮮戦争が終結して)万一、部分的な駐留が継続された場合でも、ドイツのように国内法を厳格に適用して、米軍の行動に厳重な縛りをかけることもできるようになります。
サンフランシスコ・システム(日本の占領下に恒久的に米軍への従属を取り決めたこと)の最大の問題点は、日本の戦後処理を確定する平和条約に、最大の関係国である)中国と朝鮮(さらには沖縄をいっさい関与させず、両国の分断状態を逆に固定化してしまったことでした。
ですから、戦後日本の大きな歪みを根本から正すためには、フィリピンや、ドイツのモデルについてよく研究し、シミュレーションを重ねておく必要があるのです。
実現可能なシナリオさえ描けば、アメリカの政治家や外交官の中で話にのってくる人間は、かならずいるはずです。
※これは大切なことだと思われます。アメリカは、実はいわゆるネオコン(軍産複合体で利益を得ている、新保守主義といわれる人たち)だけで動いている国ではないからです。ちゃんと、わが国はこうしたい、とホワイトハウス関係者らに話し、その内容が合理的で、双方にメリットがあれば、話に乗る人がいます。
※アメリカにはそうや意志表示を尊ぶ文化があります。
現在のような「法的怪物(ジュリディック・モンスター)」としての在日・在韓米軍のあり方と、それらが支配する極東の政治状況は、けっしてアメリカという国家の主流派(メインストリーム)が、事情をよく分かった上で公認しているものではないからです。
※事実、先の「吉田・アチソン交換公文」「国連軍地位協定」「日米地位協定」「新安保条約」「統治行為論」は、アメリカの一部の高官(ジョン・ダレス、ジョン・ハワードなど)が、自分たち以外に分からないような形で締結した面があるからです。
参考説明
http://s.webry.info/sp/js30.at.webry.info/201606/article_24.html
本などからは以上です。
繰り返しますが、朝鮮戦争の平和的解決について、例えば
韓国・北朝鮮は、「民族統合による政治的・経済的利益と今後の経済発展」を、
アメリカや中国、ロシアは「統一や連邦化が生み出す巨大な経済的利益の一部」を、
そして日本は「70年間追い求めてきた主権の回復」を手にする
というようなモデルを考え、それを日本や韓国から、中国、ロシア、アメリカに提案することで、東アジアの大きな不安定要因を除去し、在日米軍の問題なども解決できる可能性があります。北朝鮮の問題は、実はそれくらい日本にとって、戦後を転換する大きなチャンスとなるものです。
上記はミロク会・政治経済記事を担当しているA.C記載の記事です。